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平成17年第3回定例会−09月26日-02号

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  1. 台東区議会 2005-09-26
    平成17年第3回定例会−09月26日-02号


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    平成17年第3回定例会−09月26日-02号平成17年第3回定例会 平成17年第3回定例会 東京都台東区議会会議録(第10号) ●9月26日(月)                     (以下敬称略) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 出席議員(34名)      1番  和 泉 浩 司          2番  太 田 雅 久      3番  鈴 木   茂          4番  君 塚 裕 史      5番  中 山 寛 進          6番  小 菅 千保子      7番  堀 越 秀 生          8番  関 根 博 之      9番  橋 詰 高 志         10番  大和田   功     11番  鈴 木 昭 司         12番  高 柳 良 夫     13番  水 島 道 徳         14番  河 野 純之佐     15番  池 田 清 江         16番  田 中 伸 宏     17番  伊 藤 友 子         18番  稲 垣 晃 司     19番  小 菅 康 雄         20番  実 川 利 隆     21番  寺 井 康 芳         22番  青 柳 雅 之     23番  木 下 悦 希         24番  清 水 恒一郎     25番  伊 藤 征 輝         26番  杉 山 光 男
        27番  茂 木 孝 孔         28番  金 田   功     29番  田 口 治 喜         30番  堀 江 達 也     31番  伊 藤 萬太郎         32番  木 村   肇     33番  杉 山 全 良         34番  小 玉 高 毅 欠席議員 な し 欠  員 な し ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 出席説明員 区長         吉 住   弘    助役         浅 津   勲 収入役        瀬 ア 昌 美    教育長        野田沢 忠 治 企画財政部長     岩 ア 政 行    総務部長       宮 内 宏 司 区民部長       神 子 雅 行    産業部長       鈴 木 貴 徳 保健福祉部長     新 井 幸 久    環境清掃部長     小 澤 喜 良 都市づくり部長    橿 尾 恒 次    教育委員会      光 安 孝 志                        事務局次長 財政課長       荒 川 聡一郎    総務部参事      五所尾 武 司                        (総務課長事務取扱) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 区議会事務局 事務局長       磯 田 精 治    事務局次長      神 部 忠 夫 議事調査係長     松 原 秀 樹    議会担当係長     曲 山 裕 通 議会担当係長     小 松 修 司    議会担当係長     本 坐 由記子 書記         西 山 あゆみ    書記         松 浦 和 子 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 議事日程 日程第 1 一般質問 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――          午後 1時02分 開議 ○議長(実川利隆 さん) ただいまから本日の会議を開きます。  あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。  会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員については、会議規則第128条の規定により、     4 番 君 塚 裕 史 さん    5 番 中 山 寛 進 さん をご指名いたします。  ────────────────────────────────────── △日程第1 一般質問 ○議長(実川利隆 さん) これより日程に入ります。  日程第1、一般質問を行います。  一般質問の発言通告がありますから、順次これを許可いたします。  28番金田功さん。          (28番金田 功さん登壇)(拍手) ◆28番(金田功 さん) 平成17年第3回定例会に当たり、区議会自民党を代表して区長並びに教育長に質問いたします。  最初に、予算編成の手法についてお伺いいたします。  昨年度、台東区は、新たな基本構想、長期総合計画を相次いで策定しました。これからの計画は、いずれも社会経済状況の変化を十分踏まえたもので、これからの台東区の羅針盤となるものです。しかし、この羅針盤も、強固な財政基盤がなければ、絵にかいたもちとなりかねません。  健全な財政運営があってこそ、基本構想が目指す「にぎわい いきいき したまち台東」が実現できるわけであります。  本区は、平成12年に清掃事業の移管、介護保険制度の創設など、区の行う行政サービスが拡大する中で、厳しい財政状況を乗り越えるため、財政健全推進計画を策定いたしました。  その推進のために、一般財源割当方式という予算編成手法を導入し、一定の成果を上げてきました。しかし、制度導入から既に5年以上が経過し、区の財政を取り巻く状況は大きく変化しております。  日本経済は、バブル崩壊の後遺症からようやく抜け出し、明るい兆しが見えてきましたが、国の借金はふえ続け、財政再建は待ったなしの状況です。また、少子高齢化の勢いはとまらず、社会保障制度の大きな見直しが迫られております。  さらに、平成12年の時点で先送りとなってしまった地方財政の強化については、三位一体の改革として、また、同じく都区制度改革の宿題は、いわゆる主要5課題として、現在、国と地方、東京都と特別区の間で激しい議論となっております。  こうした時代認識のもとで、私は、今後とも健全な財政を維持し、よりよい行政サービスを実施していくためには、予算編成手法においても、常に時代を先取りした見直しが必要と考えております。  本区は、長期総合計画、行政計画を着実に実現していくための下支えとして、行政経営推進プランを策定しました。このプランの中で、財政手法の見直し、予算編成手法の見直しが取り上げられております。  プランでは、平成18年度予算編成から、事務事業評価との連携強化、区長プレゼンテーションの実施などが例示されております。私は、プランで示された内容を着実に実施していくとともに、限られた財源をより有効に活用するためにも、重点施策を明確にするなど、戦略的な視点を踏まえた予算編成を行っていくべきと思いますが、いかがでしょうか。区長のご所見をお伺いいたします。  次に、介護保険制度の改正に関する問題についてお尋ねいたします。  ことしの6月29日に「介護保険法等の一部を改正する法律」が公布され、その一部は、早くも10月1日に施行されることとなりました。これを受けて、我が区においても、介護保険条例など関連する条例の改正について、本定例会の初日に議決したところであります。  私も、ことしの5月から保健福祉委員会に所属していますので、この問題には特に関心を持って、その動向に注目してまいりました。今回の改正は、平成12年度にスタートした介護保険制度について、これからの超高齢社会という将来展望のもとで、新しい課題にも対応した根本的な見直しを行ったものということです。見直しのポイントは多岐にわたるようですが、その中で、私が現時点で特に着目している3つの点について質問いたします。  まず第1に、新たなサービス体系として、「地域密着型サービスの創設」という項目が示されている点です。  私は、介護保険制度の根本的な考え方は、「在宅生活を支える仕組みをしっかりと構築する」という方向であると思います。  しかしながら現実には、この8月の保健福祉委員会での報告にあったように、区立特別養護老人ホームの入所待機者が延べ400人以上もいるという状況や、認知症高齢者を抱えるご家族が、介護に疲れ果ててしまっているという切実な訴えをよく耳にします。このような現実を見ると、「住みなれた地域で、いつまでも、生き生きと暮らし続ける」という介護保険の理想は、絵そらごとのようにむなしく思えてしまうのは、私だけではないでしょう。  これに対して、今回の制度改正では、「身近な地域で、地域の特性に応じた多様で柔軟なサービス提供が可能となるよう、『地域密着型サービス』を創設する」として、具体例として、小規模多機能型居宅介護や、認知症高齢者専用のデイサービスなどが挙げられています。  さらに、この「地域密着型サービス」は、施設の所在する区民だけが利用するサービスであり、また、各区ごとに、サービスの必要量や供給計画を決めることになるものだということであります。  台東区のような都心部では、今後このように区民ニーズに合わせてきめ細かく、小回りのきく多様なサービスの拠点を整備していくことが、より効果的なのではないでしょうか。  一方で、今回の改正により、施設の居宅費や食費については、利用者の自己負担になるということです。  在宅支援を真に推進するために、台東区として、この新しい「地域密着型サービス」を充実していく必要性があると思います。今回の制度改正を踏まえ、具体的にどのように構想しているのか、区長のお考えをお聞かせください。  2点目は、「地域包括支援センターの創設」という課題についてであります。  今回の制度改正によって、来年4月から、地域包括支援センターが設置されるとの報告が、8月の保健福祉委員会でありました。  地域包括支援センターは、吉住区長が今、区を挙げて進めている「介護予防の推進」のためのマネジメントとして、ケアプランを作成したり、必要なサービスを調整したり、また、虐待防止など、生活上の相談に応じたりする、高齢者やその家族の身近な「総合窓口」といったイメージのようですが、区民にいま一つその姿がはっきり見えてこない気がいたします。  私は、地域包括支援センターは、これからの時代に、高齢者が地域で生き生きと暮らし続けるための、縦割り組織ではない総合的な相談支援の場となるものだと思います。それならば、そのあり方をできるだけ早く明らかに示す必要があります。地域包括支援センターをどのような考え方で、どのくらい区内に設置されるのか、お聞かせください。  また、現在も、このような機能を持つ身近な総合窓口として、区内6カ所に在宅介護支援センターがあります。介護保険の申請受け付けなどのほか、高齢者見守りネットワークの中核として重要な役割を担っているこの在宅介護支援センターは、来年4月以降はどうなるのでしょうか。あわせてお答えください。  3点目は、介護保険制度を支える財政基盤についてであります。  介護保険制度は、発足以来これまで、区民の介護の不安にこたえて、支えるシステムとして定着しています。今回の制度改正では、「介護保険制度が将来にわたって安定的に持続していくように」という視点から、「給付の効率化・重点化」に向け、さまざまな改革のメニューが示されています。  しかしながら、高齢化率23区トップの台東区では、介護保険の利用者が着実にふえ続ける一方で、65歳以上の区民が負担する第1号保険料は、他の区に比べて低く設定されていると聞いております。このような中で、今後将来的に、介護保険を支える財政の見通しをどのようにお考えか、お聞かせください。  私は、今回の介護保険制度の改正を契機に、台東区の保健福祉行政のグランドデザインが、より一層明確になることを期待しております。  そのような視点から、以上3点に区長の積極的な答弁をお願いいたします。  次に、浅草のまちづくりについて質問いたします。  待ちに待ったつくばエクスプレスが8月24日に開通いたしました。浅草では、浅草駅が新たに開業し、浅草活性化の起爆剤と大いに期待されているところであります。  先日のサンバカーニバルには、切符売り場に長蛇の列ができるなど、多くの来街者が浅草を訪れております。  つくばエクスプレス沿線の代表的な観光地として、鉄道事業の牽引役としても浅草は期待されております。まさに、この好機を生かし、まちづくりを進めていくことが求められていると思います。  これからの浅草に必要なことは、各地から来られる来街者の方を温かくお迎えし、浅草の魅力を伝えるまちづくりではないでしょうか。玄関口となるつくばエクスプレスの浅草駅は、駅のテーマとして、「伝統と先進性の共存する街、輝く浅草」を掲げ、浅草の玄関としてふさわしい整備がなされました。利用者にお聞きしますと、浅草にふさわしい駅デザインとのことで、大変好評で浅草のイメージアップにつながっております。  しかしながら、せっかく駅で好印象を持たれた方が、町を歩き印象を悪くされては、浅草にとりましては大きな損失であります。浅草は、温かいおもてなしの心を持って来街者の方をお迎えしても、その町並みは美しいと言えるでしょうか。  魅力ある町の条件には、美しいその地区の特性を生かした町並みが不可欠であります。とりわけ浅草地区は、歴史と伝統を生かした個性ある美しい町並みを守り育てていくことと、新しく建築される建物につきましては、そのコンセプトでつくられる必要があるのではないでしょうか。  この地区の伝法院通りにおきましては、町並みを統一した景観にそろえるための景観協定が結ばれ、区長の認定を受けたと聞いております。統一した町並みづくりのために、景観まちづくり条例の活用は大きな力になると考えます。  また、国におきましても、美しい国づくり大綱を策定し、昨年「景観法」が施行されております。この景観法も活用していくことは景観づくりのために必要と考えます。浅草地区の景観まちづくりに取り組む区長のお考えをお聞かせください。  また、浅草地区におきましては、住民・議会・行政が一体となってまちづくりを進めていくために、「浅草地区観光まちづくり推進協議会」が昨年7月に発足いたしました。はや1年が経過し、協議会におきましては部会を設置し、旺盛な議論を重ね、水辺ライトアップつくばエクスプレス開通イベントなど具体的な事業も実施し、着実に効果を上げております。  これらの事業は、まさに地域・議会・行政が一丸となって、大きな力を発揮した結果であります。今後とも三者が一体となったまちづくりを進めていくことが、浅草地区のまちづくりに欠かせないことと考えております。  地域の機運をしっかりと受けとめ、「浅草地区観光まちづくり推進協議会」と協働した、力強いまちづくりを進めていくべきであります。区長のお考えをお聞かせください。  また、浅草地区におきましても、建築活動が活発になってまいりました。地域活性化のためにはまことに喜ばしいことでありますが、反面、この地区の将来あるべき姿からかけ離れた計画が散見するようになってまいりまして、大変憂慮いたしております。  具体的には、商業地の真ん中に共同住宅が建築され、商店街の機能と町並みの連続性が阻害されている例が見受けられます。  共同住宅は、その用途から1階に駐車場、駐輪場、ごみ置き場などが設置され、1階部分のにぎわいを必要とする空間が夜間は暗く閉鎖されてしまっております。  住宅を否定するものではありませんが、低層部分につきましては、商業集積地としての誘導がぜひとも必要と考えております。  その地域の実情にかんがみ、適切な誘導策を行政としてとるべきであると考えますが、区長はそのお考えがあるのでしょうか、お聞かせください。  次に、教育問題について質問いたします。  おかげさまで、私の議員生活も19年目を迎えさせていただきました。そのうち、文教委員を14年間務めさせていただきました。私は、議員の生活において大きなライフワークとして、教育問題を最重視してまいったわけであります。それは、ひとえに台東区の将来を担う子どもたちの教育の充実こそが、台東区の発展のために必要不可欠であり、ひいては日本の持続的な繁栄の礎となると考えてきたからであります。  近年、学校教育を取り巻く環境は大きく変化しております。これまで言われてきた国際化や情報化の著しい進展、少子高齢化の急速な進行といった社会経済状況の変化に加え、週5日制による学力問題やゆとり教育の見直し問題、あるいは心の教育推進などの直接的な課題への対応など、教育行政を進める上での環境変化や課題が山積していると考えております。  そうした中で、新しい時代を切り開く能力と豊かな心を育成する教育を実現する上で、それにふさわしい教育環境の整備は不可欠であるという認識のもと、台東区では、第2次の台東区立小中学校適正規模適正配置基本方針を進めてきているわけであります。  私は、議員としてこの適正規模適正配置基本方針を進め、適切な教育環境を整備していくことが、これからの台東区の教育のためにぜひとも必要なことであると考え、答申を了承し、教育委員会の決めた基本方針を了承してまいりました。  そこで、まず区長にお聞きいたします。  区長は、適正規模適正配置基本方針を引き続き実施していくべきと考えているのかどうか。ここに改めてお考えをお聞かせください。基本方針以降はどのように考えているのかについても、あわせてお答えいただきたいと思います。  次に、教育長に、台東小学校への対応について質問いたします。  台東小学校への対応については、私が区民文教委員会委員長をさせていただいたときに、基本方針の実施時期の2年間の延期と同時に、新入学児童数が10人未満である場合には、その年度末で閉校するという緊急対応を、教育委員会が決定しました。それを私は了承してまいりました。  そして、ことしの新入学児童数が4名という実態を受け、6月の教育委員会で、平成17年度末をもって閉校することを決定されました。私はこの決定は、現在台東小学校に通われている児童の教育環境を早急に整備するためには、当然の決定であると考えており、教育委員会としては、粛々と進めるべきと思いますが、教育長のお考えを改めてお聞かせください。
     また、今後のことについての教育長のご認識もあわせてお聞かせください。  適正規模適正配置基本方針の考え方は、改めて申すまでもなく、学校における「集団による教育の充実」及び「教育指導面と学校運営組織の充実」を図るためには、一定の学級規模が必要であり、各学校の施設規模も勘案し、区立小中学校の適正規模を決めているところであります。  しかるに、現時点で基本方針の対象となっていない学校で、その適正規模を欠いている学校が見受けられます。これらの学校について、教育委員会としては、今後どのように対応していく考えなのか、そのご認識をお聞かせください。  もちろん、区長が掲げる「にぎわい いきいき18万都市」の実現は、私どもも真から望むところであり、そのためには私も全力を挙げて協力してまいる所存であります。そして、その結果として児童数が増加することを期待しております。  しかし、一方で、子どもの教育環境の整備という観点から現状を踏まえた場合に、現在教育を受ける子どもたちの教育環境として、基本方針以降の適正規模を欠いている学校についても、今後のことについていろいろと考えていかなければいけないと思います。そこで、現時点での教育長のご認識をお聞かせください。  次に、監査について質問いたします。  私は、昨年5月から1年間、議会選出の監査委員を務めさせていただきました。その中で、行政監査を始めることなどを監査委員の合意によって決定いたしました。その結果は、第3回定例会に提出されます。従来よりも一歩前進したのではないかと考えております。しかし、まだまだ監査について私は期待するものがあります。  監査委員は、決算審査や例月出納検査や財務監査などを行い、区民に対しその実態を明らかにし、行政に対する情報を提供するわけであります。そして、その財源である税金を効率的・公正に使用されているか、監査する機能でなくてはなりません。  そこで、区長に次のことを質問いたします。  監査を実施しますと、別に違法でも不当でもないので、監査結果では指摘できないのですが、公正性などの観点から何か割り切れない事項があります。例えば、小中学生に対する要保護・準要保護就学援助があります。成果説明書によると、本区においては、小中学校で2億1,000万円くらいの支出になります。しかしながら、国庫補助は1,600万円くらいであります。その差は区の負担といいますか、都区財調の中で算定されるものと思います。  所得により教育格差が生じないように、給食費や学用品の費用を助成するのは構わないのですが、そんなに対象者がいるかということが、一般の人の感覚とずれているように感じるのです。  その原因は、税務申告の所得額によって決まるということだと思います。正しく申告しているのでしょうが、自営業が多いと所得捕捉が難しいのではないでしょうか。制度としては問題ないので、手続について検討することが必要ではないかと感じております。  繰り返しになりますが、監査を実施しますと、このような違法でも、不当でもないので、指摘はできませんが、検討してもらいたいことがいろいろと出てまいります。それらについて、監査委員が区長に監査結果を提出するときに、参考意見としてお聞きくださり、その後の改善などに役立たせてくださればと考えていますが、区長のお考えをお聞かせください。  横浜市の中田市長が6月の定例記者会見で、「監査には社会的公正性や市民の満足度、費用対効果などを含め、幅広く行ってもらい、その結果を効率的に行政運営に反映させるようにできないか」と述べています。  財務監査は基本中の基本でありますが、時代の変化は早く、その環境に合わせ行政サービスも変えていかなければなりません。今後の時代状況を考えた場合には、子育て・医療・介護などの保健福祉の経費は一段の伸びが予想されます。その最大の理由は、団塊の世代があと2年で定年を迎え、超高齢社会が目の前に迫ってきていることです。反対に子どもの数は減る一方です。加えて、国レベルでは795兆円を超えるような膨大な負債があり、財政の建て直しが迫られているところであります。  中田市長も、このような状況の中では、徹底してむだをなくしていき、支出を減らす努力が必要ということで、監査に期待することとして、このように述べたものだと思います。  このようなことを考えると、私は、従来の内部監査だけでなく、外部監査の導入も必要ではないかと考えております。もちろん、監査だけにその機能を求めるのではなく、議会での審議や行政経営推進プランによる事務事業の見直しなどもありますので、それぞれ十分に機能を発揮することが重要であります。  「にぎわい いきいき したまち台東」を実現するために、最少の経費で最大の効果を上げるよう、監査に期待するところであります。  区長のお考えをお聞きし、私の質問を終わらせてもらいます。  ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(実川利隆 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長、吉住弘さん。          (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 金田議員のご質問にお答えさせていただきます。  ご質問の第1は、予算編成の手法についてでございます。  社会経済状況の変化に即して、予算編成の手法を見直していくことは、非常に重要なことであると認識いたしております。  このため、平成13年度予算編成から実施してきた「一般財源割当方式」の成果を踏まえた上で、今後とも健全な財政を維持する中で長期総合計画、行政計画を着実に実現していくため、平成18年度予算編成から新たな手法を導入することといたしました。  具体的には、予算要求に先立ち、新たに、各部から新規重点事業等の提案を受け、その提案について、区の最重要課題である子育て支援、健康、文化という3つの戦略的取り組みとまちづくり、行政経営という2つの推進プランの視点から、予算編成のためのプレゼンテーションを実施いたしました。  このプレゼンテーションは、各部の連携強化と新規・重点施策事業の方向づけを全庁的視点から行うため、各分野に関係部長による協議や提案を行ったところでございます。  今後、プレゼンテーションの協議結果を踏まえ、各部の連携をより深めると同時に、戦略的に設定した新規・重点施策事業への優先的な財源措置を行ってまいります。  私は、新たな手法を取り入れた予算編成を行っていく中で、「にぎわい いきいき 18万都市」の着実な実現を図ってまいります。  ご質問の第2は、介護保険制度の改正についてでございます。  まず、地域密着型サービスの充実についてでございます。  議員ご指摘のとおり、小規模多機能型の居宅介護施設や認知症高齢者専用のデイサービスなど、区民が介護の必要な状態になっても、住みなれた地域で多様なサービスを受けられる拠点を整備していくことは、大変効果的であると認識いたしております。  今後は、区としてのサービスの必要量や供給計画を策定し、民間事業者の誘致などにより、地域に密着した、小規模で多機能なサービス拠点の整備に取り組んでまいります。  次に、地域包括支援センターについてでございます。  地域包括支援センターは、社会福祉士等の専門資格を有する人材を配置し、ワンストップ的な相談体制を整備するとともに、介護予防のケアマネジメント、民間ケアマネジャーに対する支援を行うことを主な仕事としております。  地域包括支援センターの設置数につきましては、国は、目安として人口2万人から3万人に1カ所としており、本区の場合も、これを踏まえ対応してまいりたいと考えております。  既存の在宅介護支援センターにつきましては、地域包括支援センターと部分的に類似の機能を果たしていることから、同センターへの転換を含め、そのあり方を現在検討しているところでございます。  次に、介護保険財政の見通しについてでございます。  制度的には、介護給付量の18%は第1号保険料で賄い、不足が生じた場合につきましても、一般会計からの補てんはできないこととなっております。このため、第1号保険料の設定は、介護保険の財政運営を行う上で極めて重要でございます。  議員ご指摘のように、本区の介護保険料は、制度発足以来、23区の中でも低い水準にございます。しかしながら、一方で給付額は、要介護認定者の増加とともに着実に伸びており、本区の介護保険財政の運営は、現時点で厳しいものとなっております。  平成18年度を初年度とする第3期の財政見通し及び運営につきましては、現在、基礎数値の推計を行っているところでございますが、保険料の設定も含め、議会とよく相談しながら対応してまいりたいと考えております。  ご質問の第3は、浅草のまちづくりについてでございます。  まず、浅草地区の景観まちづくりについてでございます。  浅草地区におきましては、美しい町並みを整備して活性化を図っていく必要を認識しております。区では景観まちづくり条例を活用し、浅草伝法院通りにおける景観協定の認定など、美しい町並みを誘導してきたところでございます。  今後も、条例を積極的に活用し、浅草地区の特性を生かした景観整備を進めてまいります。  また、議員ご指摘のとおり、昨年施行された景観法は、美しい町並みの整備に効果的でございますので、今後、景観法の活用も図ってまいります。  次に、浅草地区観光まちづくり推進協議会との連携についてでございます。  区も協議会に参画し、浅草地区における商業・観光振興に関することなど、歴史と伝統を生かした潤いのある浅草地区のまちづくりについて取り組んでいるところでございます。  浅草の多くの課題に対応していくためには、地域と議会と行政が一丸となって取り組んでいくことが緊要でございます。  今後も積極的に、浅草地区観光まちづくり推進協議会を初め地域と連携を強め、浅草のまちづくりに取り組んでまいります。  次に、商業集積地における誘導等についてでございます。  議員ご指摘のとおり、商店街に共同住宅が建設され、商店街の連続性が絶たれることによりにぎわいが損なわれていることは、重要な問題であると認識いたしております。  商業集積地におきましては、共同住宅に対する規制が必要であると考えており、地域の実情に即した規制の手法を検討し、実施してまいります。  ご質問の第4は、教育問題についてでございます。  台東区立小中学校適正規模適正配置基本方針につきましては、教育委員会が児童・生徒の教育環境を整備するために決定しているものであり、議会のご了承もいただいているものでございます。  私は、この基本方針については、引き続き教育委員会に進めてもらいたいと考えており、現在学校に通われている児童のことを最大限考えた上での教育委員会の判断を尊重してまいります。  基本方針以降につきましては、基本構想の目指す「にぎわい いきいき したまち台東」の実現を図るまちづくりを進めることによって、これ以上学校をなくさなくてもよい状況をつくってまいりたいと考えております。  ご質問の第5は、監査についてでございます。  監査委員は、定期監査を初め行政監査や決算審査などさまざまな機能を駆使し、財政事務が適正に行われているか、事務事業が効率的、合理的に行われているかなど、さまざまなことを検証することが職務となっております。  事務事業が効率的に行われ、不断の努力により最少の経費で最大の効果を上げ、健全財政を維持することは、ますます増大する子育てや高齢者の福祉需要にこたえるためにも、重要な課題であると認識しております。  監査委員は、さまざまな視点で監査を実施されているところでございますので、ご指摘のような点につきましては、監査報告の機会等に意見をお聞きし、適切に対処してまいりたいと考えております。  なお、議員ご提案の外部監査につきましては、今後の検討課題とさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。  その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。 ○議長(実川利隆 さん) 教育長、野田沢忠治さん。          (教育長野田沢忠治さん登壇) ◎教育長(野田沢忠治 さん) 金田議員の教育問題についてのご質問にお答えをさせていただきます。  台東小学校の対応につきましては、児童の就学状況等を踏まえ、この間、PTA役員等、学校関係者との話し合いを進めてまいりました。5月には、教育委員長と私も直接お会いし、ご意見をお聞きもいたしました。  その際のご意見等も踏まえながらも、金田議員ご指摘のように、現在学校に通われている児童の教育環境を早急に整備する必要があると考え、今年度末をもっての閉校を、この6月に教育委員会が決定し、本定例会に台東小学校の廃止に係る条例をご提案させていただいているところでございます。  去る7月には、全校保護者等への説明会を開催し、保護者や学校関係者、地域の方々にこれまでの経緯と教育委員会の考え方をご説明させていただきましたが、依然として存続を求めるご意見も根強くございました。  教育委員会といたしましては、議会の条例審議の状況を踏まえながら、引き続き、関係者のご理解をいただく努力をしていくとともに、在校児童の来年度の就学校の決定や、その準備についてのさまざまな話し合いを進め、円滑な移行に努めてまいりたいと考えております。  次に、今後のことについてでございます。  先ほど区長が答弁いたしましたように、教育委員会といたしましても、基本方針以降につきましては、学校をなくさなくても済むような努力をしてまいります。  そのためには、それぞれの学校が、学校本来の役割を着実に果たすことはもちろんのこと、PTAや学校運営連絡協議会とよく連携をとり、児童や保護者、地域にとって魅力ある学校となるよう、一層努力していくことが必要でございます。  そこで、各学校や地域に努力をお願いするとともに、教育委員会といたしましても、そのための環境整備に鋭意努めてまいります。  私は、地域の子どもたちが、それぞれの指定校へ安心して就学していただけるよう、また、通いたくなるような学校となるよう、引き続き全力を傾けてまいる所存でございますので、よろしくお願いを申し上げます。 ○議長(実川利隆 さん) 5番中山寛進さん。          (5番中山寛進さん登壇)(拍手) ◆5番(中山寛進 さん) 平成17年第3回区議会定例会におきまして、4項目にわたり質問をさせていただきます。区民クラブの中山寛進でございます。  早速質問に入ります。  自民党の大和田幹事長を見習って、日本経済新聞を読みますと、平成17年度における国の経済見通しは、昨年度に引き続き穏やかな回復過程をたどるものと見込んでおり、その結果、国内総生産の上で、少しの伸びを見せるであろうと予測されております。しかし、個人消費の低迷や厳しい雇用情勢により、景気の先行きはなお現在でも不透明な状況にあります。台東区の財政を取り巻く環境も、主たる財源となる特別区民税が増減することが不透明の中で、依然として厳しい状況にあります。当然、他の地方公共団体においても、おおむね同様と言えましょう。  私は、そういった社会背景であっても、これからの時代は、一方で行政の意義というものが、ますます大きくなっていると認識を持っています。特に、社会全体の方向性として、中央集権から地方分権体制に移行しつつある現在、自治体の独自性や戦略によって、地域社会の自立など、都市間競争の勝敗が決するからであり、さらに、少子高齢化社会の中で、社会的な弱者と言われている方々に対しても、よりよく生活していただくために多様な提案が必要であるからです。  財政が厳しい中で、それでも、行政の意義が大きくなっているという2つの現状を踏まえて、新たに行政の方向性を考えなければいけません。  そこで、私の考えとして、新しい自治体のあり方として、地方自治体である台東区は、地域全般にかかわるコーディネート機関になるべきと考えております。これまで行政は、区民のニーズを直接的に、ハードやソフトへと変えるような手法が典型でありました。  ところが、財政が厳しい以前に、現在さまざまな福祉課題など、個々の区民の要望に対して、きめ細かくサービスを提供する必要があり、こうなってくると、行政に任せるよりも、むしろ区民が直接計画し、実行した方が効率のよいケースが多くなっているのです。  そこでは、行政は情報提供や専門知識の提供あるいは場所、資金など資源提供、そして、利害調整とコーディネート役の方が効率的な面もあるのです。すなわち、パブリックな面で民が対応し切れないものを官が担うという考え方で、区民の力が最大限に発揮される区政、行政を目指すということであります。  そこで質問の趣旨に入ってくるわけですが、さきの衆議院選挙において、小泉総理大臣を初め、自民党・公明党なども、官から民へ、小さな政府といったフレーズが飛び交いました。実はもともと民主党も言っておりました。  当然、今の財政状況の中で、民にできるものを民がすることは、方向性として、行政の効率上間違いではありませんし、霞ヶ関こそ最も抜本的にメスを入れるべきと考えております。  特に、ハコモノにおいては、民間の資金を視野に置いて検討することは、一義的な発想として考えなければいけません。  台東区区政においても、飯村区政の際に大きな成果のあった、新永寿病院改築に当たって、病院側と台東区の関係も、官の役割と官の資金・資源を有効利用しつつ、民の資金と民のノウハウを最大限に活用した、成果のある一大事業であったことは言うまでもありません。  そのような発想の中で、官のインセンティブによって、民の資金を引っ張り出す中で、官から民へといった発想こそは、これからも知恵を絞って推し進める力が必要であると思います。  しかしながら、地方自治にかかわり合いがある私たちにしてみると、一元的に官から民へという発想ではなく、台東区においては、高齢先進区として、介護保険制度のあり方や医療のあり方、教育においては学力低下傾向の課題、少子化問題、防災、観光など、官の役割が広く大きくなっているのも事実であります。  したがって、財政が厳しい中にあっても、官の役割が大きくなっているのも事実であり、官から民へという発想ではなく、もう一度、官の守備範囲を明確にするとともに、民にお願いすべきことはどういう部分なのか。台東区においても、大きな理念のもとで整理すべきと考えております。  区議会、都議会と活躍され、地方自治のエキスパートであり、現在は区長として働かれている中で、区長ご自身の中で、どのような基準で行政のあるべき姿や行政の守備範囲となる基準や理念をお持ちであるか、ご披瀝ください。  また、小泉純一郎総理大臣であれば郵政民営化でありますが、吉住弘区長の台東区政における行政改革の本丸は何に当たるのか、区民も大いに関心があるでしょう。本丸をわかりやすくお示しください。  次の質問に移ります。  今さら言うまでもありませんが、平成17年度OECD(経済協力開発機構)32カ国参加の国際学習到達度調査の結果が出ました。日本は、平成12年度に1位だった数学的リテラシーが6位に、8位であった読解力は14位に後退し、文部科学省は、日本の学力について、もはや世界のトップクラスではないというコメントを出し、その結果に呼応するように、文部科学省は、「日本の成績が落ちたのは教師の質が落ちたからだ」と言及をいたしました。  しかし、あの調査結果に付随した調査結果で、無視できない点も浮き彫りになりました。日本の子どもが世界一テレビ視聴時間が長く、家庭での勉強時間が一番短く、加えて家の手伝いを全然していないということです。確かに、生活習慣という面においては、家庭での生活習慣のウエートは大きいものと思われます。  さらに、一般論で、学力低下ばかり問題視されていますが、もう一つ注目しなければならないと思うのが、子どもの体力低下傾向にいささかも歯どめがかかっていないということであります。
     したがって、日本の子どもは学力だけではなく、気力・体力も一斉に落ち込んでいるのです。要するに元気がなくなっている状態ではないかと思います。  そこで1つの原因として考えられるのが、睡眠時間です。冒頭での調査結果、テレビの視聴時間が長いことによって、予測するところ、睡眠時間が短くなっているのではないでしょうか。当然、睡眠時間が短い状態で、朝起きれば朝食が食べられません。朝食を食べない状態で、学校生活は、幾ら活力ある子どもであっても元気を出すのも無理があります。  今回、区長の所信表明の中でも、児童・生徒の学力と生活実態調査について、調査・分析し客観的な数値をより明らかにしてまいりたいという旨のご発言もありました。ぜひ実態解明に力を注いでいただきたいと要望いたします。  しかし、国際的な機関によって、学力やテレビの視聴時間の結果が出ている以上、対応策こそ問われるべきでしょう。もちろん学力低下においては、我が区において、土曜スクールでの対応や、さまざまな対応策を他区にも勝るスピードで進めてまいりました。  一方で、学校生活とともに、家庭での生活習慣や地域での生活に、もう一歩踏み込まざるを得ない状況であることも事実です。当然、生徒・児童・親にも決意を新たに変えていただけるような運動展開も必要でありましょう。しかし、家庭での生活習慣に対して、他人が物を申して、大きなお世話と言われてしまえばそれまでの話です。そういった大きな壁があることも事実です。  そこで、今回の実態調査後、生活習慣改善を促すべく、現段階での対応策はあるものなのか。また、調査後の改善策に対してどのような程度の決意をお持ちなのか、お示しください。  次の質問に移ります。  観光産業についてです。  現在、観光ビジネスが注目されている中で、自治体や地域社会は、地域商店街などでも、観光を産業につなげていこうとする取り組みは、今や普遍的な動きになっております。もとより、台東区においては他の自治体に先駆けて、昭和58年から、観光を取り扱う専門セクション、観光課を設置し、観光に力を注ぎ、イベントを含め数々の観光施策の一役を担ってきた事実は評価できます。  しかし、台東区においては、観光を産業につなげていこうという体制にまで至っていないのが、正しい現状分析ではないでしょうか。確かに、観光産業そのものが、これまで日本の政府も、日本の世情も、日本の経済の一役として位置づけていこうとする機運まで至っていなかったのは事実であります。  しかし、全国的、世界的なライフスタイルが変わってきた今日において、行政、民間ともに、観光産業をより一層力強く振興していくことは待ったなしであり、自立した地域経済を何とか軌道に乗せていくための1つの大きな切り口になることは言うまでもありません。  台東区において、伝統社会が形成してきた世界レベルの財産を中核に据えることによって、台東区の経済構造を変え、新しい経済体質をも創造するポテンシャルを持っていると確信できます。  当然、21世紀を通じて、次の世代に誇れる観光地として、永続的な繁栄の切り札にしてほしいのです。そこで、議会の皆さんも、今の思いを察すれば、「美辞麗句はよくわかった。そろそろ具体的に提案しろ」というのが大勢の思いでありましょう。  私が何を言いたいのかと言えば、観光やイベントは、どちらにしても大勢の方々にお見えいただくこと、区民や外来者を問わず大勢の人たちに参加していただいてこそ、成功につながる第一歩なのです。台東区内で行われているイベントこそ、台東区民がそれこそ知って参加をする行為が重要な点だと思います。  区長みずから、台東区を世界に発信してほしいとは言いませんし、言葉は言っても、容易ではないことは承知しております。せめて、区民の大勢の前で発言できる機会が多いのは区長でありますし、私も副議長就任によって、区長と同席する機会もふえ、改めて再認識をいたしました。  負け惜しみではありませんが、小泉純一郎総理大臣の絶妙なPR力を見習って――見習ってというと生意気なので、まねて区民の前でお話をする際には、もっとさまざまなイベントの広報PRに努めたらどうか、謙虚に提案いたしますが、区長の見解をご披瀝ください。当然、努力していると言われればそれまでの話となりますので、要望も重ねていたします。  次は、浅草文化観光センターの改築についてです。  台東区は、平成12年度から平成16年度の間、財政健全推進計画を策定し、財政健全化を図ってまいりました。その間、凍結をされてきた事業計画の中に、浅草文化観光センターの建てかえも入っておりました。本年度は、庁内において研究をするということであります。  もともと浅草文化観光センターの位置づけは、地域の観光産業に寄与する情報発信基地であることは言うまでもありません。したがって、浅草文化観光センターに行けば、地域の情報は何でも知ることができなければなりません。情報の発信の方法として、映像による地域の四季をビジュアル的に見せるものから、情報誌の提供など、今では大活躍のボランティアガイドの方々に、もっと機能していただくためのインフラであります。  また、浅草文化観光センターの外観は、地域の歴史性、文化性を象徴する広告塔でもなければなりません。まさにランドマークの役割もあるのです。つまり、浅草を観光する際に、観光ルートの入り口でもあり、象徴的存在でもあるのです。  今までの浅草文化観光センターはどうであったでしょうか。国際観光都市を目指す都市の観光センターとしては、寂しいものであります。また、地域の人でさえも、一度も入館したことがない人がいるぐらい存在感の薄いものです。つまり、住人や商業者が常に意識にあり、利用促進してこそ、利用率が高くなるものです。  本来であれば、台東区の独自予算によって、国際観光都市として誇れる建物をつくり、観光客が十分使いやすいものへとなるようにお願いしたいものであります。  しかし、一方で、私たちの認識として、台東区単独で予算を組める財政状況でないことも当然のごとく理解しなければなりません。しかしながら、政府の動きとして、観光産業を国の活力にしようという大きなスローガンがある以上、我こそは日本を代表する台東区と、強い決意こそ可能性の第一歩と考えます。  簡単に言えば、日本が誇れる国際観光都市をつくるには最低、情報拠点となる観光センターは、観光地にとって必須条件であるからです。ぜひ、台東区から、構想や事業方法も含め所管庁に提案し、国の国費を最大限利用することはできないものなのか。また、大都市東京の主たる観光地として、東京都との協働も視野にできないものか、検討すべきではないでしょうか。  当然、国の法律や事業条件など、私が調査した限りでも、ペンディング部分が多くあると予測できます。しかし、それこそ原則的な国の条件を研究し、それらの条件緩和を具体的に強く要望してこそ、台東区の主体性を誇れるのではないでしょうか。  そこで、浅草文化観光センターの改築構想に伴って、国費・都費を最大限利用する発想のもとで研究をされてはどうか、質問をいたします。  次の質問に入ります。危機管理についてです。  現在、台東区では組織上、災害対策や危機から区民を守るため、総務部に従属した危機管理室や危機・災害対策課を配置し、日々の業務に当たっております。とりわけ、災害担当においては、防災という視点に立って、警察署・消防署・消防団・町会などを統括し、区民の防災啓発を一義的な業務としております。  台東区において、総務部長を中心に包括的な視点に立って、業務に取り組んでいるのが現状ではないでしょうか。もっとも私自身、現状の業務内容を否定的にとらえているわけではありません。  しかしながら、阪神・淡路大震災や新潟県中越地震、インドネシア・スマトラ沖地震あるいは異常気象による巨大台風、豪雨などの大規模な天災はもちろんのこと、社会情勢や世界情勢をかんがみると、国内治安の悪化や国際テロが日本を標的にすることも予測できます。  そういう意味では、国・地方公共団体を初め、消防・警察・自衛隊等の災害活動機関は、国民の安心・安全を守るために、危機管理やリスク管理を積極的に行うべき時代とも言えます。危機管理を一言で言えば、「危機を予防、回避し、起こった災害による損害をいかに少なくするか」にあり、減災に努めることであります。  ハリケーン「カトリーナ」被害におけるアメリカ政府の対応のおくれが、イラク問題に発展し、ブッシュ政権はもちろんのこと、危機管理に対する国家の機能が問われているのです。  そこで、台東区役所として、組織をしっかりした危機管理体制にできるかどうかは、首長の危機管理に対する姿勢や意識によって大きく変わります。当然、吉住区長ご自身が現在、危機管理のエキスパートでないことは全く恥じることはありません。それぐらいプロの目で見なければ、本質が浮かび上がってこないのであります。  そこで、プロの目によって、自分の都市や組織がどの程度リスクがあるのか、台東区の地勢学上の条件、地域の特性、人員の配置などすべてを網羅して、客観的なリスクを計量化すべきと考えますが、見解をご披瀝ください。  また、危機状況の中で、区長ご自身の権限はどこまで認められているのか、把握をされている範囲でお示しください。  引き続き、同趣旨の質問となります。  7月23日に起こった千葉県北西部を震源とする震度5強の地震の際に、災害時の対応のため、東京都の災害対策住宅で待機しているはずの補助要員50人のうち、半数以上が東京都庁に集合していないことが後日明らかになりました。災害対策セクションの総合防災幹部らが登庁し、情報収集などに支障はありませんでしたが、しかし、危機管理に対する意識が改めて問われた一件であり、日ごろから危機管理という言葉を使っている石原知事の下にあっても、実際そのような現状なのです。  台東区においても、同じように待機職員を置いて、常に区民の安心をと言いたいところでありますが、災害に対する優先政策がありますので、すべてを完璧にすることはできません。しかし、幸いにも、区内外に在住する職員がいる以上、職員1人1人の被災条件によって、避難所拠点に真っ先に来ることができる職員もいれば、家族構成によって、被災状況よって、来ることが不可能な職員もいるでしょう。  そういう意味では、職員・家族の安否確認の手順も定めなければなりません。どちらにしても、常に危機管理にかかわるトップは、人事異動に左右されない区の体制や、常に関係機関や職員全体との連携が必要です。常に区長の指示体制がとれる状況でないことも改めて指摘をいたします。  そこで、危機管理に携わるトップは、区長と直結する上位ポストとして位置づけてはどうか、お尋ねいたします。  また、区の幹部も含め、各職層、職域の職員など、防災に対する実務能力を日ごろから磨いていくことが重要です。そういう意味では、実地訓練こそ重要と思われます。  そこで、職員が、現在住まいのある地点から台東区役所まで、徒歩ルートや所要時間など、実地訓練をどの程度されているのか。また、実地訓練として、改めて改善する試みがあれば、現状の予定としてお示しください。  以上、区民クラブ1人目の質問を終了させていただきます。  ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(実川利隆 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長、吉住弘さん。          (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 中山議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、行政の役割についてでございます。  まず、行政の守備範囲についてでございます。  区政を取り巻く多様な課題にきめ細かく、より効果的に対応していくためには、区民と区とが適切な役割分担のもと、協働していくことが求められております。  こうしたことから、計画策定や事業実施などさまざまな局面において、区民の参加機会を拡大するとともに、区民や民間団体、企業などのパートナーシップを強化する取り組みを発揮しております。民間事業者の主体的・自主的な活動を、区が適切にコーディネートしていくことも必要であると考えております。  今後は、区民や民間団体・企業などさまざまな主体との協働を推進することで、効率的な区政運営を進めてまいります。  次に、行政改革についてでございます。  私は、昨年10月に、台東区政の最高指針である基本構想を、ことしの3月には、長期総合計画並びに行政計画を策定したところでございます。この長期総合計画を確実に推進していくことが、何よりも重要であると考えております。  健全な財政を維持し、こうした諸計画を着実に進めていくため、行政経営推進プランを策定いたしました。  現在、プランに基づく行政経営を行うために、施策評価及び外部評価などの事務事業の見直し、プレゼンテーション導入などの健全な財政の維持、組織・定員の適正化、職員の育成、区民と区との役割分担などのパートナーシップを図るなど、さまざまな取り組みを進めているところでございます。  今後とも、「にぎわい いきいき したまち台東」の実現を目指し、区民の目線に立った行政運営を、全力を傾注して推進してまいります。  ご質問の第3は、観光産業についてでございます。  まず、区長みずからが実施する観光PRについてでございます。  議員ご提案のとおり、自治体の首長みずからが観光PRを実施することは、非常に重要でございます。あらゆる機会をとらえて、区民の方々に観光イベントの紹介をすることは、大変有効であると考えておりますので、可能な限りPRしてまいります。  今後とも、私は、国際観光都市、台東区の魅力を積極的にアピールしてまいる所存でございます。  次に、浅草文化観光センターについてでございます。  「文化観光センターの整備・活用」につきましては、長期総合計画・行政計画に基づき、事業化させていただきました。  新センターにつきましては、文化・観光拠点として機能をさらに強化し、外国人観光客等の利便性を図る施設にしたいと考えております。  改築に当たりましては、国の補助制度の活用を研究するとともに、民間活力の導入などさまざまな方策が考えられますので、最少の経費で最大の効果が上げられるような、最良の方策を検討してまいります。  ご質問の第4は、危機管理についてでございます。  まず、専門家の活用と危機管理におけるリスクの計量化についてでございます。  例えば、地域特性などを考慮した専門家による地震の被害想定は、危機管理を推進していく上で貴重なことと認識いたしております。  今後、危機管理体制の強化を図る際にも、さまざまな専門分野の方に意見を伺うことも重要だと考えております。  次に、危機状況の中での私の権限についてでございます。  私は、大地震などによる災害時には、災害対策本部長として本部を統括し、早急な対応を図るために、本部職員を指揮監督するなどの権限を有しております。私は区長として、あらゆる災害から区民の生命・身体及び財産を守り、区民が安心して住み続けられるよう、最大限の努力をしていく所存でございます。  次に、危機管理の組織における位置づけについてでございます。  危機発生時には、危機管理室長を初め、関係職員は、関係機関と連携をとりながら、区民の被害を最小限に抑えるための策を講じてまいります。  私は、危機管理室を直轄的組織として位置づけ、緊急時の対応に万全を期してまいりますので、ご理解賜りますようお願いいたします。  次に、職員の自宅からの参集訓練についてでございます。  区内居住者及び区役所本庁舎から5キロメートル以内に居住している職員につきましては、夜間・休日等に災害が発生した場合、すぐに指定の場所に参集できるように訓練を実施してまいりました。  今後、その他の職員につきましても、災害時の交通機関の混乱を想定して、徒歩や自転車利用などによる参集訓練を実施するなど、より現実的な状況を想定した訓練の充実に努めてまいります。  教育問題については、教育長がお答えいたします。 ○議長(実川利隆 さん) 教育長、野田沢忠治さん。          (教育長野田沢忠治さん登壇) ◎教育長(野田沢忠治 さん) 中山議員の教育についてのご質問にお答えをさせていただきます。  学力と生活習慣の関係につきましては、議員ご指摘のとおり、相関関係が指摘をされております。私も家庭教育で生活習慣を身につけることが大変重要であると感じており、教育ビジョンでも答申されております「子育ての基盤は、各家庭にある」ことを十分認識をいたしております。  各小中学校、幼稚園等でも、保護者に対しまして、折に触れ重要性を伝えているところでございますが、各家庭の生活環境や教育方針が多様化してきている中では、実際問題として、すべての家庭に浸透させるのはなかなか難しい状況もございます。  教育委員会といたしましては、今回の調査により、台東区の子どもたちの生活習慣などの実態を明らかにし、分析を進めております。その結果を踏まえた上で、地域で実践されている心の教育推進運動や、学校からの生活習慣に関する具体的な情報提供などを通じて、生活習慣を身につけさせることの重要性をさらに啓発してまいります。  そして、地域・学校・行政が一体となって、家庭教育の充実をより一層積極的に図り、生活習慣の改善に努力してまいります。 ○議長(実川利隆 さん) 33番杉山全良さん。          (33番杉山全良さん登壇)(拍手) ◆33番(杉山全良 さん) 平成17年第3回定例会に当たり、台東区議会公明党を代表いたしまして、防災対策を中心に、大要3点について区長に質問をさせていただきます。  初めに、水害対策についてお伺いいたします。  超大型ハリケーン「カトリーナ」がアメリカ南部に上陸し、アメリカ史上最大の自然災害をもたらし、都市機能の復旧や亡くなった方の捜索あるいは収容などは、一昨日の「リタ」の発生により、現在でも見通しが立っていない状況であります。被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げ、一日も早い復興をお祈り申し上げます。  さて、東京でも、去る9月4日夜から9月5日の未明にかけて、1時間に100ミリを超える雨が降りました。都内でも、各地で床上浸水や道路の冠水など被害が出ました。中でも杉並区では、1時間に112ミリの猛烈な雨量で、河川のはんらんなどに加え、電気も断続的に停電し、床上浸水のため、あるマンションでは、一時閉じ込められるなど大きな被害が出ました。  このため、東京都は、中野・杉並の両区に災害救助法を12年ぶりに適用し、対応に当たることになりました。東京都の想定を超えた水害の発生は、今後の災害対策の見直しが東京都でも行われることになると思います。  本区においても、この豪雨によって床上浸水12カ所、床下浸水153カ所の計165カ所の被害が出ております。また、昨年10月9日の台風22号のときも、同様な被害が出ておりますが、問題は、被害の場所がほとんど同じ場所であるということです。被害を受けた方は、毎年台風シーズンになると、また大雨が降ると不安になっています。  そこで質問をいたしますが、この約1年の間、被害場所に対してどのような調査を行い、それに伴った水害対策を行ったのか、まずお伺いをいたします。  それぞれの場所は状況が違います。その原因は何なのか。例えて言えば、「道路の傾斜によって雨水が偏ってしまう」あるいはまた「下水道管が細く対応できない」あるいは「排水溝が少ない」などさまざまなことが考えられますが、原因がただ「雨量が多かった」「予想の範囲を超えていた」だけではなく、被害場所を早急に調査し、毎年こうした被害に遭わないように、その対策を都の下水道局などと協議して実施すべきだと思いますが、区長のご所見をお伺いいたします。  災害対策の2番目の質問は、地震対策についてお伺いをいたします。  相次ぐ自然災害の発生により、防災に対する国民の関心が高まっている昨今、ことしは震度5以上の地震が10回も観測されました。このうち、地震の規模がマグニチュード7を超えた地震は、3月の福岡県西方沖地震、また宮城県沖地震、特に福岡県西方沖地震では、大都市で起こる大地震の怖さを改めて見せつけられた思いがいたしました。  さらに、7月には、千葉県北西部を震源に発生した地震では、マグニチュード6と、中規模ながら首都・東京の弱点が明らかになりました。  交通網あるいは通信網の途絶と回復のおくれ、エレベーターの閉じ込め問題、超高層ビルと低周波振動との共振現象、大量の帰宅困難者の発生など、次々と課題が起こりました。
     そこで、福岡西方沖地震や千葉県北西部を震源に発生した地震を教訓に、災害に強いまちづくりをさらに進めるために、以下の質問をいたします。  初めに、避難所についてお伺いいたします。  台東区地域防災計画によると、避難場所は区内の小・中・高校が主となっています。福岡県西方沖地震では、体育館等における避難場所は、さまざまな問題が露出いたしました。「電気のコンセント不足」「トイレ不足」「ほとんどが備蓄倉庫を備えていない」など、さまざまな指摘がありました。また、市の体育館の天井(石膏ボード)が老朽化により崩落する事故が起きました。  本区においても、指摘されているさまざまな事故に対する対応や、避難所の耐震診断、また、これに伴った改築は当然行っていると思いますが、状況をお伺いいたします。  次に、「ブロック塀」対策についてお伺いいたします。  福岡県西方沖地震でただ1人亡くなった方は、自宅近くのブロック塀の倒壊によるものでした。福岡市内でも、高度成長期に建てられた古い住宅街や学校を中心に、数多く存在していました。過去の宮城県沖地震では、ブロック塀や石塀の倒壊などで16人の方が亡くなりました。  このことにより、国では都道府県に、「コンクリートブロック塀安全対策推進協議会」の設置を要請し対策を協議することになっておりましたけれども、残念ながら、福岡県では、この協議会を設けておりませんでした。さらに、危険箇所の把握や調査をも行っておりませんでした。  本区は、ブロック塀等の改善資金助成制度によって、この対応を行っておりますが、この制度の利用は非常に低いようであります。防災の関心が高まっている今こそ、さらに進めて、この制度利用推進を含めて危険箇所等の調査を行うべきだと思いますが、区長にお伺いいたします。  次に、「窓ガラス」対策についてお伺いいたします。  福岡県西方沖地震では、繁華街の路上に、割れたガラスが散乱いたしました。繁華街の幹線道路に面した築40年の10階建てのビルは、930枚の窓ガラスのうち約4割の360枚が割れました。天井や壁の剥落はなく、窓ガラスに被害が集中したそうです。発生時、人通りが少なく、幸い人的被害はなかったそうです。  首都直下型地震の被害想定では、内閣府が、ビルからの落下物などによる死者は、最悪800人と想定しています。建築基準法では、窓ガラスの耐震性の規定はないようですけれども、避難路、延焼遮断帯の道路沿いや、あるいは浅草・上野の繁華街がある本区にとっても、今後当然検討すべき課題になると思いますが、区長にお伺いいたします。  次に、「水上バス・屋形船」との災害協定についてお伺いをいたします。  千葉県北西部を震源に発生した地震では、交通網の遮断や回復のおくれなどにより、たくさんの帰宅困難者が発生いたしました。  今、国土交通省関東運輸局では、帰宅困難者対策の一つとして、本年度中をめどに、「水上バス・屋形船」を防災対策への活用を検討しています。  関東運輸局は、「海上技術安全研究所」に依頼し、この試算をしたところ、水上バス(定員140〜553人)を15隻、屋形船(定員82人)50隻が利用できる場合で、1日2万2,000人から3万8,000人を運ぶことができるとの試算結果が出ました。台東区にとっても大切なことですが、これは広域自治体としての東京都での検討になると思います。  本区では、防災対策の一つとして隅田川の活用を検討していますが、本区独自の隅田川を活用した防災対策、中でも震災復興対策として活用するために、この「水上バス・屋形船」との災害協定を結ぶべきだと考えますが、区長にお伺いをいたします。  次に、「夜間防災訓練の実施」についてお伺いをいたします。  いつ、どこで起こるかわからない大地震、首都直下型地震対策調査会によると、今後10年ぐらいで、東海地震が約80%の確率で発生し、南関東には今後30年間に約70%の確率で大地震が起きる、このように予測をしております。  本区でも、こうした状況を踏まえ、毎年1町会連合会を対象に、たくさんの区民の皆さんも参加して災害訓練を実施しております。年々実施内容やその地域に合った訓練を実施して、充実してまいりました。しかし、いつ起こるかわからない地震、昨年の新潟県中越地震のように、暗やみを迎える時間に発生したことを考えると、夜間の防災訓練を行うことも必要だと思います。  今年度は、他の自治体でも初の夜間訓練を実施いたしました。お隣の文京区では、8月27日6時30分より実施いたしました。これには、区内34町会約1,500人、また消防署、警察署、自衛隊も出動し、震災時の一連の活動を実践的に行いました。  また、長野県松本市でも、例年、早朝や午前中に行ってきた訓練を、9月1日、夜間に初めて実施いたしました。いずれも暗い中での訓練は緊張感があり、明るいところでの訓練ではわからなかったことが出てよかったとの声があったそうです。本区でも、ぜひ夜間での訓練を実施してはと思いますが、区長にお伺いいたします。  最後に、「QRコード」の広報紙掲載についてお伺いいたします。  QRコードとは、簡単に言うと、読み取り機能のついた携帯電話をそこに当てるだけで、アドレスを打ち込まなくてもホームページに接続できるものです。「広報たいとう」には、ホームページのアドレスが掲載され、区のホームページを利用される方もだんだん多くなっております。また、区の情報発信のもとにもなっております。そこで、「広報たいとう」に、このQRコードを掲載してはどうでしょうか。  区のホームページには、区民を初め観光客の方までアクセスしております。QRコードには、携帯電話向けサービスの内容として、災害時の情報を初めとする生活情報、また、平時は、観光情報などを掲載することにより幅広く活用できる、このように思います。  区民が簡単に携帯電話でアクセスしやすいこのQRコードを、「広報たいとう」に掲載し、防災情報の発信にも活用してはと思いますが、区長にお伺いをいたします。  次に、大きな2番目の質問は、「アスベスト対策」についてお伺いをいたします。  今、全国で社会問題となっている「アスベストによる健康被害」。去る7月15日、経済産業省は、「アスベストによる健康被害の実態調査の結果」を公表いたしました。これは、アスベスト含有製品の製造企業65社、関連企業を含めた89社でこの情報を集約いたしますと、アスベスト健康被害462人、このうち亡くなった方が374人、療養中の方が88人との調査結果でございました。  アスベストの健康被害の原因は、ご存じのとおり、飛散したアスベストを吸い込むことにより、中皮種・じん肺などになっています。このように、工場で働いている方以外にも、工場周辺の住民も被害に遭われていることがわかり、改めてアスベストの怖さを認識いたしました。  さらに、9月20日、読売新聞社の調査結果では、全国の公立学校1,597校の校舎や体育館などに、アスベストが使用されているか、その疑いがあるとの結果が出ました。このうち87校では、既に教室や体育館の使用を禁止し、21校では臨時休校や始業式が延期になるなど、授業にも影響が出ております。  この結果には、東京都は調査中とのことで入っておりませんけれども、さらに増加するのではないかと思っています。  学校などに吹きつけアスベストを使っている各自治体では、吹きつけアスベストの実態調査を行い、アスベストに関する相談窓口を設置して対応に当たっています。  そこで質問をいたしますが、本区でも、現在学校を含めた全区有施設の調査を行っていると聞いておりますが、この結果が出たら、速やかに、まず区民に公表していただきたいと思います。  また、区民のアスベストに対する不安感を払拭するためにも、アスベストに関する健康・環境などの相談窓口を当然設置していると思いますが、相談体制はどうなっておりますか、改めてお伺いいたします。  さらに、数は少ないと思いますけれども、区内の民間住宅や商店の中にも、吹きつけアスベストが使用されていると思います。調査するには費用が、調査のやり方にもよりますけれども、約2万円から約10万円程度と聞いておりますが、私は、こうした民間住宅や商店が行う調査に対応するため、「アスベスト調査助成制度(仮称)」をつくり対応すべきだと思いますが、どうでしょうか。さらに進めて、除去する場合も工事費用を助成してはと思います。こうしたことが区民の健康に対する不安を解消すると考えますので、区長の前向きな答弁をお願いいたします。  最後の質問は、「ホストコンピュータ」についてお伺いいたします。  本区では、ホストコンピュータを活用し、事務のシステム化を図り、行政事務の効率化と区民サービスの向上を図っております。しかし、ホストコンピュータでは、法改正のたびにプログラムが複雑化することに加え、各自治体では、独自のシステムを開発するため、コストがかさんでいるのが現状だと思います。  では、民間ではどうしているかということになりますけれども、部門ごとに、ハード面では、高性能の小型パソコンを利用したクライアントサーバーや、ソフト面では、一般的なプログラム言語でつくられたパッケージシステムを、順次クライアントサーバー方式に移行して、コスト削減を図っております。  葛飾区では、昨年度に、庁内の汎用ホストコンピュータをすべて撤去し、全事業の情報を個別に分散処理することになりました。このことによりまして、システム移行前の平成13年度に比較しても、年間約4億4,000万円の運用コストの削減を見込んでおります。  さらに、法改正ごとのプログラム変更が容易になり、保守作業も軽減され、区民にとっては、窓口での待ち時間が短縮されるとのことで、将来の電子自治体への対応も可能であるとのことであります。  このように、葛飾区では、5年程度かけてホストコンピュータをなくしました。本区も現在さまざまな検討を行っていると聞いております。ホストコンピュータに関するプログラムメンテナンス、オペレーション、データエントリーなどの業務委託、さらに、リース料などのコストを考えたとき、行政の効率化を進めるためには、クライアントサーバー方式を計画的に導入していくべきだと考えますが、導入の有無も含めて、今後のあり方についてお伺いをいたし、私の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) ○議長(実川利隆 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長、吉住弘さん。          (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 杉山全良議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、災害対策についてでございます。  まず、水害対策についてでございます。  近年、都市部では、ヒートアイランド現象によると考えられる、下水道の排水能力を超えた局地的な集中豪雨が発生しており、当区におきましても、一部の地域で被害を生じております。  区では、被害調査をもとに、地域の方々と下水道局を交えて、対応策について協議を行い、下水道管の閉塞調査や雨水ますの増設などの対策を講じております。  また、過去の被害状況のもと、必要に応じ、止水板及び土のうを配布するとともに、台風など大雨が予想される場合には、関係機関とともに、担当職員を地域に派遣し、雨水ますの清掃や交通規制などの水防活動を行っております。  さらに、下水道局では、浸水被害を早期に軽減するための下水道幹線整備を優先的に実施いたしております。  加えて、排水施設の整備拡充につきましては、「特別区下水道事業促進連絡会」を設置し、国及び東京都に対し、下水道の充実・促進を、一丸となって強く要望しているところでございます。  今後とも、大雨による浸水被害の早期解消に向け、東京都を初め関係機関と連携を密にとり全力で取り組んでまいります。  次に、避難所についてでございます。  コンセントやトイレの不足、備蓄倉庫の未整備など、ご指摘の事項につきましては、いずれも重要な問題であると認識いたしております。  コンセントやトイレ等、避難所の設備面の課題につきましては、マンホール・トイレの設置など、不便のないよう改善を進めたいと考えております。  備蓄倉庫につきましては、すべての避難所への整備に努めるとともに、避難所の備蓄物資の充実を進めているところでございます。  また、避難所の耐震診断につきましては、小中学校を中心に、おおむね補強工事まで終了しておりますが、耐震診断及び補強工事が未実施の施設については、今後、施設の将来を見きわめながら対応してまいります。  さらに、施設の老朽化に対しましては、避難所の機能に支障が出ないように、定期的に施設点検を実施して、適切に保全してまいります。  次に、「ブロック塀」対策についてでございます。  議員ご指摘のとおり、ブロック塀等の改善資金助成制度については、区民の皆様による一層の活用が望まれます。そのため、今後とも「広報たいとう」やホームページなどを通じ、周知を徹底し、利用の増加に努めてまいります。  なお、危険箇所等につきましては、現場を再度調査し、必要な場合には改修を指導してまいります。  次に、「窓ガラス」対策についてでございます。  区では、平成7年度から6年にわたり、被災時の避難路に面した3階建て以上の建物を対象に、落下物の調査を実施いたしました。これに基づき、毎年追跡調査を行い、改善を指導しております。今後も継続して、災害時の窓ガラス飛散防止に努めてまいります。  次に、「水上バス・屋形船」との災害協定についてでございます。  議員ご提案のとおり、水上バスや屋形船は、災害時の帰宅困難者などの被災者の人員輸送や救援物資の輸送、さらに被災者の臨時宿泊施設として、有効な手段であると考えております。今後、協定の締結に向けて関係機関と早急に協議してまいります。  次に、夜間防災訓練の実施についてでございます。  地震発生時に、慌てず安全に行動するためには、いろいろな条件のもとで事前に訓練することが有効であると考えております。  そのため、谷中地区で実施した今年度の総合防災訓練では、各町会内に、消火や救護の訓練地点を設け、より実践的な体験をすることを目指して訓練を実施いたしました。  議員ご提案の夜間防災訓練につきましても今後行うべき必要な訓練であり、ぜひ実施したいと考えております。  次に、QRコード、いわゆるカメラつき携帯電話による読み取り用二次元バーコードの活用についてでございます。  本区では、10月から「たいとう安全・安心電子飛脚便」を開始いたします。このサービスでは、防犯及び防災情報を、携帯電話を使いだれでも見ることができるようになります。  今後、利用者のご意見等を踏まえ、広報紙へのQRコード掲載などにつきましても研究してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  ご質問の第2は、アスベスト対策についてでございます。  まず、区有施設の吹きつけアスベスト調査についてでございます。  本区では、8月1日から、全区有施設の吹きつけアスベスト調査を実施しております。  現在、現地調査を終了し、専門機関の分析調査等を進めております。この結果により、除去工事が必要と判断したものは公表し、迅速な対応を図ってまいります。  次に、相談体制についてでございます。  アスベストの問題は、幅広い分野にかかわっているため、本区は、関係部課長で構成する「アスベスト対策に係る庁内連絡会議」を設置し、アスベストに関する総合的な対策を進めております。  相談体制につきましては、アスベストに関する健康上の相談を初め、民間建築物のアスベストに関する相談、アスベスト除去費用の融資相談など、さまざまな相談に的確に対応するために、環境保全課を中心に、コールセンターや関係各課との連携による相談体制を整え、区民の不安解消に努めております。  次に、民間住宅や商店のアスベスト対策についてでございます。  区民の皆様が住まわれるあるいは利用される建築物に関しましては、アスベスト使用の有無についての問い合わせが多く寄せられております。区では、民間建物に対する調査費用助成について、前向きに検討してまいります。  なお、住宅や中小企業の建物からのアスベスト除去工事費用につきましては、融資あっせん利子補給制度を新たに設けたところでございますので、今後は、同制度の活用の動向を見守ってまいりたいと存じます。  ご質問の第3は、ホストコンピュータについてでございます。  現在、本区では住民記録、税務、国民健康保険等の基幹系業務を、ホストコンピュータにより運用しておりますが、その他の介護保険や子育て支援、図書館業務等においては、ハード面ではクライアントサーバー方式、ソフト面ではパッケージの導入を図っております。  議員ご指摘のとおり、私は現行のホストコンピュータをクライアントサーバー方式等に移行することが、コスト削減に大変有効だと考えております。  こうした視点に立ち、昨年度からシステム再編成の検討を進め、ホストコンピュータをクライアントサーバー方式等に一括して移行していく準備を行っております。さらに、これらのシステムをアウトソーシングすることにより運用してまいります。  この再編成により、今後の大きな制度改正や将来の電子自治体にも対応できるシステムを構築し、住民サービスの向上と事務処理の軽減を図ってまいります。 ○議長(実川利隆 さん) 9番橋詰高志さん。          (9番橋詰高志さん登壇)(拍手) ◆9番(橋詰高志 さん) 日本共産党区議団の橋詰高志です。第3回定例会に当たり、党区議団を代表して、区長及び教育長に質問いたします。  今回の総選挙で、自民党が圧勝する結果となりましたが、国民は、小泉内閣が推し進めようとしている、暮らしと平和を脅かす政治に白紙委任を与えたわけではありません。東京新聞の19日付社説でも、「自公を合わせても小選挙区で5割を切り、比例ですら5割そこそこ。この事実を敗者も勝者も銘記すべき」とか、「圧勝を圧倒的支持と思ったら大間違いです」と書いています。  まず区民の暮らしに直結している庶民増税計画と憲法改悪について、区長に伺います。  今回自民党は終始一貫して、郵政民営化一本やり、この是非を問う選挙だとして、最後まで増税問題には触れませんでした。ところが、選挙が終わった途端に、谷垣財務大臣は記者会見で、増税も選挙で信任を得たかのように発言をし、定率減税を廃止、消費税率も07年度の税制改正の中で検討していくと、増税宣言を行いました。  既に、ことし6月の政府税制調査会の答申で明らかなように、給与所得控除や扶養控除、特別扶養控除、配偶者控除などの廃止を決めています。これに消費税10%が加われば、例えば、年収500万円の4人家族では55万円もの増税になります。  このような大増税は区民の暮らしを破壊し、消費不況を悪化させ、中小業者の営業に深刻な影響を与えます。庶民大増税に対して、区長はきっぱりと反対の態度を表明し、政府関係機関に申し入れるべきであります。区長の答弁を求めます。  次に、憲法9条の改悪について伺います。  自民党は、11月に開く結党50周年大会で、「戦争はしない、軍隊は持たない」と定めた現憲法9条2項を完全に削除して、「自衛軍保持」を明記し、「海外での武力行使はできない」という歯どめをなくして、「国際的に協調して行われる活動を行うことができる」としています。これは、集団的自衛権の行使につながるもので、イラク戦争のような場合、アメリカ軍とともに戦闘に参加することになるのです。しかも、「日本国民は、主体的かつ積極的に寄与するよう努めるものとする」として、国民に強制を明記している点も重大です。  戦後の60年間、戦争で外国の人を1人も殺してこなかった日本を、再び戦争をする国に変えてしまうのが、自民党の憲法草案なのです。  22日には、自民、公明、民主が衆議院憲法調査特別委員会の設置を決定いたしました。自民、民主がそろって憲法改正に進もうとする中で、9条を守ろうという動きが、全国各地で草の根から巻き起こっていることは大変重要です。
     台東区でも、お寺の住職や教会の牧師、大学教授、弁護士、民族芸能家、税理士、女性運動家などの方々が呼びかけ人となって、近く「台東9条の会」の発足集会が開かれます。  これまで区長は、憲法に関する質問に対して、「平和憲法を遵守する」との立場を表明されてきました。また、ことしの東京大空襲60年の各種行事でも、積極的に平和の大事さを訴えられてきました。自民党籍を持つ区長ではあっても、現憲法「9条」改正には、きっぱり反対との態度を改めて16万区民に表明すべきと考えますが、区長の所見をお聞かせください。  次に、靖国参拝と歴史教科書問題について、教育長に伺います。  小泉首相の靖国参拝は国際的な非難の的となり、中国、韓国などアジア諸国を初め、アメリカからも批判が強まっています。  10年前、当時の村山首相が戦争終結50年に当たって発表した見解で、「我が国は、国策を誤り、植民地支配と侵略によって、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた」と表明しましたが、「日本政府の行動がそれに伴っていないではないか」、このことが日本に問われている一番鋭い質問となっています。  私も、先日靖国神社を視察してきましたが、靖国神社の使命は、遊就館という展示館のパンフレットにある宮司のあいさつに明確にうたわれております。「大東亜戦争という対外戦争は、近代国家成立のため、我が国の自存自衛のため、自由で平等な世界を達成するため、避けられなかった戦争」と書かれており、「日本の戦争は正しかった」とするものです。  軍事法廷で「戦争犯罪人」とされた人たちを、「ぬれぎぬを着せられた人々」として、その名誉回復を図るという主張が、常時ビデオ放映されています。また、「日本の戦争は正しかった」と教える扶桑社の教科書を普及するセンターの役割も果たしています。  そこで伺いますが、教育長は、靖国神社の遊就館はごらんになったことがございますか。また、靖国神社のこうした役割について、どのようにお考えでしょうか、答弁を求めます。  次に、教科書採択の問題ですが、扶桑社の教科書は、全国的にもわずか0.4%しか採択されていません。日本の侵略戦争を正当化する記述となっていること、憲法改悪をねらう政治運動の道具になっていることなどが指摘されたからです。  当区でも、この教科書は不採択となりましたが、「日本の戦争は正しかった」と教える教科書の記述について、どのように認識されているのか、教育長の答弁を求めます。  次に、災害対策について伺います。  最近でも、新潟県中越地震、台風21号、スマトラ沖地震と津波、千葉県北西部地震、宮城県沖地震、台風14号、アメリカのハリケーン「カトリーナ」など、大きな地震や台風による猛威が世界各地に大きな被害を与えています。  中央防災会議が発表した首都直下型地震による被害想定によると、東京湾北部で、マグニチュード7.3の地震が発生した場合の建物被害は85万棟、死者は1万1,000人、経済被害は112兆円との発表がありました。  地震防災は、何もしなくても、地震さえ起こらなければ済んでしまいます。しかし、一たん地震が発生すれば、多くの人々が人生設計を台なしにされます。いつ、どこのだれが、その運命のとりこになるかわかりません。地震が起きても被害を最小限に食いとめ、被災者の人生設計を回復できるように、社会の共同の営みがなければなりません。それを推進するのが国と地方自治体の役割です。  そのかなめとなるのが地域防災計画です。この計画は、災害対策基本法第42条に基づき、毎年検討を加え、必要があると認めるときは修正するとされています。  1年分の国家予算を大きく上回る経済的損失が一瞬にしてあらわれ、単に被害地域だけの問題にとどまらず、全国民が被災者という事態になることは明白であり、首都直下地震の防災対策は、緊急かつ重要な課題であります。  中央防災会議の新たな被害想定が発表されたもとで、台東区地域防災計画の早急な修正が求められますが、修正に当たって幾つかの提案をいたします。  防災対策が多岐にわたることと、個別具体的であることから、計画書がますます膨大、煩雑になる傾向にあり、かえって使い勝手が悪くなっているのが現状ではないでしょうか。  まず第1に、備品について、これまで被災者2万5,000人分を対象にしていますが、台東区は来街者の多い上野・浅草を抱えており、帰宅困難者も想定した対応にすべきであります。  第2に、こうした数字的な修正とあわせて、想定される被害が地域によってそれぞれ異なるので、発生が予測できる災害については、災害種別に計画書を作成すべきではないでしょうか。  3点目に、防災対策には、区民の防災活動への関与なしに計画の実行が困難であることから、この間の経験で明らかなように、計画書の作成に当たっては、区民参加を図り、区民が見て理解でき、わかりやすいものにすべきではないでしょうか。その他、計画の修正に当たって具体的に検討されている点があればお示しください。  私ども区議団は、先日、防災の専門家とともに、防災・減災のために、地盤の違い、建物の違い、町の構造の違いの3つの個性要因の視点から、防災対策の出発点として、谷中、根岸、鳥越地域を調査いたしました。  特に、狭い道路に面した老朽の木造住宅、高いブロック塀、電柱のトランス、看板、窓ガラス、安全な通行を妨げるがけ、階段、段差などにポイントを絞って点検をしました。調査結果で明らかになった改善点を具体的に質問いたします。  まず、第1に、谷中の防災広場のがけ上の万年塀と階段の整備を早急に行うことです。  第2に、避難路確保や安全のために、高いブロック塀を生け垣にするなどの改修の推進です。そのために、ブロック塀の解体助成や、生け垣助成を復活してはいかがでしょうか。生け垣は防犯上も効果があると言われています。  3点目に、区内の電柱を総点検し、傾いた電柱の改善を東京電力に申し入れるべきであります。東京電力は心配ないとしていますが、調査した地域以外でも、明らかに危険と思われる箇所が千束3丁目で7カ所、竜泉3丁目でも5カ所も見つかっています。  4点目は、民間の防火・耐震建築問題ですが、現状は、多額の費用を要するため耐震診断もおくれています。東京都は、耐震補強工事への助成を拡充する方向ですが、当区においても、耐震工事促進を図る施策の拡充が必要であります。  「自分のことは自分で守る」式の対応では済まないのが現状で、経済被害112兆円という膨大な被害は軽減されません。思い切った財政支援が求められていることを、国や東京都に対して要求すべきであります。  5点目に、区民が主体となった防災ウオークラリーの提案です。  防災対策の出発点でもある、我が町はどうなっているのかを改めて認識することは、防災意識を高める上でも大変重要です。それぞれ答弁を求めます。  次に、水害対策について伺います。  先日の台風14号は、都内でも各地で大規模な被害をもたらしました。台東区内でも、5日には床上浸水が4件、床下浸水が127件もあり、改めて「都市型水害」対策の緊急性を痛感させられました。東京都がようやく、台東区内の下水管増設のための配管工事を決め、来年から5年かけて、三ノ輪1丁目地域から下谷2丁目まで、総延長約2.8キロメートルの敷設工事を行うこととなりました。  同時に、河川の安全対策も緊急を要します。都の港湾局と旧建設省が監修した、「荒川の氾濫」を想定したショッキングなビデオがありますが、最高で2メートルの浸水、区内の4分の3以上が水につかるというものです。これでは、公会堂の地下にある備蓄倉庫などは浸水して資材も使えなくなってしまいます。また、ゴムボートの備蓄が1台もない現状では、救援物資すら運搬できません。  「荒川流域の人口密度は、特に下流域管内で1平方キロ当たり9,150人と、全国の一級河川中最も高く、公共機能や資産が集中し、仮に荒川の堤防が破堤をすると、はんらんは首都圏の広範囲に甚大な被害をもたらし、日本の首都機能を麻痺させるおそれがある。200年に一度起きる大洪水に耐えられるものとは、必ずしも言えない」と、国土交通省のホームページにも載っています。  しかし、最近の自然災害は、地球温暖化や都市部でのヒートアイランド現象などで、毎時50ミリを超える豪雨がたびたび起きており、もはや「200年に一度」どころの状況ではない、こういう状況であります。堤防の強化や排水機能の拡張など、総合的な緊急対策が必要です。  台東区地域防災計画では、隅田川の水防対策は、高潮対策として、伊勢湾台風規模の降雨に対応できるものとしていますが、高潮と豪雨両面からの対策強化が必要であります。  荒川のはんらんによる水害予想を含め、改めて計画を見直し、水防資材の配置、備蓄の拡充など、水害対策を抜本的に強化すべきであります。区長の答弁を求めます。  最後に、介護保険について質問いたします。  介護保険法の改悪がさきの国会で、自民、公明、民主によって強行されました。国庫負担7,000億円の削減のために、要支援や要介護1などの軽度の介護サービスが切り捨てられ、10月1日から、特別養護老人ホームや老人保健施設などの入所者に、ホテルコストの徴収や食事代全額負担が始まります。  この改悪によって、平均して利用者の約6割に影響が出ると予測され、施設経営者からは、「利用料を払えない人はどうするのか、出て行ってもらえというのか」という深刻な声が上がっています。  ことしの第2回定例会での質問に対して、区長は「制度の持続可能性を高める改革であると認識している」と答弁されました。しかし、可決された改悪法は、老齢や病気など生活上の障害を抱える高齢者や家族に、生活の保障どころか「命」の保障をも厳しくするものと言わざるを得ません。  さきの国会で、我が党の小池議員は、「負担増ばかり押しつける法案は、改革の名に値しない」と指摘し、国庫負担の引き上げや保険料・利用料の応能負担化、基盤整備の促進など、老後に希望が持てる介護保険制度の確立に向けた提案を対置して、改悪法案に反対をいたしました。  余りに大きな負担増となるために、居住費・食費について、保険料が新・第3段階までの低所得者には「負担限度額」が設けられ、施設が設定した「基準額」との差額が「補足給付」される減額制度が設けられました。しかし、その内容は極めて不十分であります。  千束の老人保健施設では、第3段階で平均すると、月額、多床室で―――――が―――――に、個室では―――――が―――にもなります。  また、民間の老人保健施設では、月7万円の利用料が12万円にもなる例があります。これだけの値上げをしても、施設側は採算が合わないと言っています。老後は安心とは言えないこのような事態を、区長はどのように認識しているのか、お答えください。  また、区の通所施設の食事代は、抑えられるとは言え1食約150円の値上げとなります。軽減措置のない民間の施設では400円もの値上げになるのです。  ある民間事業者は、「値上げしたら利用者は来なくなる。利用者の負担を考えて値上げせずに、差額分は施設がかぶる」と言っています。このように介護報酬の切り下げは、利用者にとっての負担だけでなく、施設にとっても、今後の経営を困難にさせるものとなっているのです。  千代田区は、今年度中は区が事業者への補助を行い、施設入所者の居住費などを補助する方針を決めました。  荒川区も、今年度中は通所施設に対して、1食につき25%補助の方針を出しました。今後、自治体独自の減免救済制度を含め、金の切れ目が介護の切れ目とならないよう、区としての措置を緊急にとることが必要です。区長の答弁を求めます。  介護保険制度が始まって5年、保険料の値上げ、サービスの制限に続き、利用料の値上げで、「保険あって介護なし」の状況は進む一方です。最大の問題は、国庫負担率を25%の枠に押しとどめ、その総額をできるだけ抑えようとしていることです。  安定した制度維持を図るためには、利用者への負担増ではなく、国の負担率を引き上げる以外にありません。このことをあらゆる機会で主張し関係機関に強く要請すべきであります。  区長の答弁を求め、私の質問を終わります。(拍手) ○議長(実川利隆 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長、吉住弘さん。          (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 橋詰議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、税制改正と憲法改正についてでございます。  まず、税制改正についてでございます。  定率減税につきましては、本年3月の法改正により、所得税は平成18年1月から、また、住民税は平成18年6月から、減税幅が2分の1に縮減されることになりました。  なお、定率減税の廃止や消費税率の見直しについては、現時点では、具体的な検討に至っていないと聞いております。  また、本年6月に出された税制調査会の基礎問題小委員会の報告は、今後の個人所得課税について、見直すべき方向の論点整理を行ったもので、具体的な改正案を提示したものではないと認識いたしております。今後とも、国の税制改正の動向について注視してまいりたいと存じます。  次に、憲法改正についてでございます。  憲法改正につきましては、広く国民の総意に基づき手続が進められるべきものでございます。私といたしましては、国会での論議を注視してまいりたいと考えております。  ご質問の第3は、災害対策についてでございます。  まず、台東区地域防災計画の修正についてでございます。  初めに、帰宅困難者を想定した対応についてでございます。  本区は、議員ご指摘のとおり、通勤者のほか観光客など来街者が大変多いことから、次回の見直しの際には、観光客などの対応を含めた検討を行ってまいります。  次に、災害種別ごとの計画書の作成についてでございます。  現在の地域防災計画は、地震及び風水害についての計画になっておりますが、他の災害についても、必要に応じて計画してまいります。  次に、計画策定のあり方についてでございます。  地域防災計画は、区並びに防災機関の実施すべき事務や業務を包含する計画でございます。この計画を区民の方々にご理解いただくことは大変重要なことでございます。今後、計画の見直しに当たっては、よりわかりやすい計画となるようにしてまいります。  また、次回の計画の修正に当たっては、国の「中央防災会議」の被害想定をもとにした都の計画の見直しを踏まえ、その結果や他の対応すべき課題についても、区の計画に反映させていく予定でございます。  次に、谷中の防災広場のがけ上の万年塀と階段の整備についてでございます。  谷中の防災広場につきましては、谷中セブンラックス跡地を都市基盤整備公団が購入した際に、初音の森を維持、保全するため、万年塀の補強工事を行っております。しかしながら、地元の方から、災害時における転倒などの危険性を指摘されているところでございます。  また、階段につきましては急勾配のため、昇り降りに際し利用者への大きな負担となっております。特に、災害時には避難に支障を来すおそれもございます。  したがいまして、万年塀及び階段につきましては、現在実施している谷中防災広場整備事業の中で検討を進めてまいります。  次に、既存ブロック塀の改修推進についてでございます。  既存のブロック塀につきましては、安全で安心して住める建築物等への助成制度を設け、改修を支援しております。今後とも、災害に強いまちづくりの観点から、同制度の周知に努め、区民の皆様の利用を促進してまいります。  次に、区内の電柱の総点検についてでございます。  区内の電柱につきましては、東京電力が1年に一度の割合で総点検しておりますが、さらなる安全のための確認を東京電力に要請してまいります。  次に、民間建築物の不燃化・耐震化についてでございます。  建物の防火性能や耐震性の向上には多大な費用を要します。区では、今後とも国や都に対し、区民の皆様が円滑に不燃化や耐震化を進められるよう、意見交換などの機会をとらえて要望してまいります。  次に、住民が主体となった防災ウオークラリーについてでございます。  住民が主体となって地域を歩き、地域の防災施設や防災上危険な場所を事前に知っておくことは、災害時に大変有効でございます。今後、防災団等に実施を呼びかけるとともに、区も積極的に協力してまいります。  次に、水防対策についてでございます。  国土交通省は、平成16年9月、3日間の総雨量548ミリ、200年に一度の大雨による洪水を想定した荒川浸水想定を発表いたしました。このはんらんシミュレーションでは、本区の約4分の3の地域が浸水するという大変ショッキングなものでございました。  現在、23区内では、1時間50ミリの雨量に対応すべく、下水道等施設整備を進めているところでございます。  しかし、近年、都市部において、これを超えた集中豪雨が発生していることから、施設整備にあわせて、洪水ハザードマップの作成や気象情報の提供など、ソフト面の対策を進めていかなくてはならないと考えております。  また、水防資材の配置や拡充等、水害対策の強化につきましては、関係機関とも協議しながら検討してまいります。  なお、次回の地域防災計画の震災編の修正にあわせて、具体的な水防対策の見直しを行い、地域防災計画の風水害編に反映してまいります。  ご質問の第4は、介護保険についてでございます。  まず、介護保険法改正により、施設等の居住費・食費が保険給付の対象外となることの影響についてでございます。  今回の法改正に当たりましては、さまざまな経過措置や、所得が低い方への軽減措置が制度化されております。  多くの場合、このような経過措置や軽減措置を適用することにより、所得の低い方などの困難な状況は回避できると考えておりますが、区民の個別の状況に応じ、適切に相談に応じてまいりたいと考えております。  次に、自治体独自の減免救済制度などの措置についてでございます。  今回の制度改正は、在宅と施設の給付の負担の公平性、介護保険給付と年金給付の調整の観点から実施されるものでございます。  利用料につきましては、利用者と施設の契約により決められるものでございますが、所得の低い方に対しましては、さまざまな負担軽減措置を講じることとしております。  本区では、他区に比べ、民間の施設やサービス提供事業所が少なく、区立施設がサービス提供の中核を担っております。  区立施設の利用料につきましては、制度改正に伴う利用者負担を可能な限り抑え設定いたしました。  つきましては、今年度、区立施設へ補助金を支出することとし、今定例会に補正予算案を提出しているところでございます。
     次に、国庫負担の軽減についてでございます。  今回の法改正において、居住費・食費を保険給付の対象外としたことは、単に国庫負担の軽減のみならず、都や区の公費、また区民の保険料負担の軽減、すなわち介護保険制度全体の費用負担の軽減化を図ることによって、制度の持続可能性を高めることを目指したものであると考えております。また、在宅と施設の費用負担の不均衡是正も求められていることから、今回の改正は避けられないものであると認識しておりますので、ご理解願いたいと存じます。  教育問題については、教育長がお答えいたします。 ○議長(実川利隆 さん) 教育長、野田沢忠治さん。          (教育長多野田沢忠治さん登壇) ◎教育長(野田沢忠治 さん) 橋詰議員の靖国参拝と歴史教科書問題についてのご質問にお答えさせていただきます。  まず、靖国神社についてのご質問についてでございますが、教育長としては、特定の宗教法人のあり方に関してコメントをする立場にはございません。  また、改めて申し上げるまでもございませんが、中学校教科書図書の採択につきましては、扶桑社の教科書も含め、すべて文部科学省の検定に合格したものを対象といたしております。これらの教科書の中に、日本の戦争を正当化している教科書はないと認識をいたしております。 ○議長(実川利隆 さん) それでは、ここで15分間休憩いたします。          午後 3時07分 休憩 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――          午後 3時28分 開議 ○議長(実川利隆 さん) 休憩前に引き続き会議を開きます。  8番関根博之さん。          (8番関根博之さん登壇)(拍手) ◆8番(関根博之 さん) お待たせいたしました。いぶき・信頼と思いやりの会を代表しまして一般質問をさせていただきます。関根博之でございます。  3つのテーマで、きょうは区長さんに質問をいたします。私も真剣に質問しますので、真剣に答えていただければと思います。  まず、最初のテーマは、改革自民党と区長の台東区政の取り組みについてお尋ねいたします。  さきの総選挙では、小泉自民党が、公明党との選挙協力があったにせよ、多くの無党派層を中心に、国民の圧倒的な支持で衆議院における単独過半数、そして、連立与党として3分の2以上の絶対的な立場が確保されました。台東区でも、投票率は66.4%と、近年まれな高さで、その関心の高さがうかがえました。  その関心の的で、政治への期待も大きかったのが、小泉政治のリーダーシップであり、小泉構造内閣政権への支持でありました。  「郵政民営化に賛成か反対かの選挙だ」と、争点を構造改革の必要性に一本化しての大勝利であったのですが、一方で、「自民党をぶっ壊す」と言って官僚主導、利権政治の守旧派を自民党から追放した姿を国民に見せたことが、さらに期待を大きくしたのではないでしょうか。  総裁みずからが自民党改革を訴え、構造改革を強く推し進める姿勢に、無党派層をも動かし、多くの国民や区民の支持を得たのでありました。  このことを台東区政に置きかえると、まさに同じ自民党の吉住区長の構造改革や行政改革に、広くは政治改革に、多くの区民は期待をしているはずであります。  政治改革に取り組むことは、地方自治体の大きな政治課題でありますし、将来の地域や地方自治の姿をつくるのに大きな影響を及ぼすわけでありますから、小泉構造改革政治を台東区政の中で生かさなければならないはずであります。  そこで区長にお尋ねします。  「改革をとめるな」というスローガンで小泉自民党は圧勝しましたが、自民党台東区長が早急に取り組まなければならない区政改革のテーマとは何でしょうか。つまり、優先順位一番の改革は……          (発言する者あり) ◆8番(関根博之 さん) いや、ちょっと違うんです。優先順位一番の改革は何でしょうか。区政改革の本丸とは何かという、先ほどの中山議員の質問に対し、行政経営プランの導入を挙げてきましたが、その中で、まず全力を挙げて取り組む、この改革を具体的に示していただきたいと思います。  2つ目の質問は、「官から民へ」という質問であります。  基本的には、民にかえることにより競争原理を働かすことで、効率化とサービスの向上を図り、社会ニーズの変化への柔軟な対応も可能とする効率のある事業に、民の活力を取り入れることでありますし、官業としての役割を終えたという認識を持った事業も、「官から民へ」という道筋をつくる、そんなことが、今回の「官から民へ」でやらなければならないことだろうと感じております。  台東区では、財政健全化に向けて、事務事業の見直しを推進してきていますが、事業の拡大、継続、縮小、廃止と事業評価をしてきている中で、まさに、「官から民へ」の政治判断と同じく、評価と判断が重要であります。  台東区は、このたびの事業評価の中で、伊東保養所を廃止としました。国民のレクリエーションやレジャーのスタイルも、少人数行動に合わせた民間の宿泊レジャー施設の利用に変わってきたことから、職域の慰安、福祉の支援としての官の役割を終え、区立最後の保養所の廃止を判断したと推察します。  その他の多くの公共施設や公共サービスの事業などを委託したり、指定管理者制度への対象事業にしたり、またPFIの手法も取り入れるなど、台東区の「官から民へ」の政治判断も多くなされてきているわけであります。  台東区では、官民が並行している保育園や幼稚園、高齢者福祉や介護福祉、そして、清掃など多くの施設や事業が存在していますが、世田谷区や大田区などでは、特定の区立施設の全廃も計画しているところも出てきました。  そこで区長に、総選挙で自民党のもう一つのスローガン、「官から民へ」に対する「台東区の「官から民へ」についてお尋ねいたします。  官と民の住みわけを判断する際の最も大きな概念となる官の役割とは何でしょうか。また、時代変化や効率化と区民サービスの向上を、事業の見直しや民間への移行に当てはめるとき、その物差しとなる基準は何が重要となるでしょうか。区長の官と民の区分の基準とは何かお答えください。  政府が今取り組んでいる市場化テストと呼ばれているものがありますが、これは、官と民の線引きが、かつてのように、必ずしも明確でない状況にある中で、官民競争入札によって、直接効率性を比較することで、新たな官と民の役割分担を行おうとするものであります。  具体的には、市場化テストでは透明、中立、公正な競争条件のもと、公共サービスの提供について官民競争入札を実施し、価格と質の面でよりすぐれた主体が落札し、当該サービスを提供していくことになるわけであります。  市場化テストの大きな特徴の1つは、従来は、どの事業を民営化や業務委託に出すかについては、基本的に官が主導権を持って判断するものであったのに対し、市場化テストでは、官が業務を行うためには、官民競争入札により、官が価格と質の面でよりすぐれていることを示す必要があるということになるわけであります。  そして、民間にかわる場合の手法として、民営化や業務委託、指定管理者制度やPFI、そして社会投資ファンドなどが存在するわけであります。  地方公共団体における市場化テストの研究は、既に市場化テスト推進協議会も立ち上げ、足立区では取り組みが始まりました。  そこで区長、内閣府での規制緩和と行政の全事業に市場化テストを、オリックスの宮内会長が取り組んでおりますが、台東区でも、事務事業の見直しに並行して、全事業を対象に、市場化テストに取り組む必要があると思いますが、いかがでしょうか。  ちなみに足立区は、印鑑登録、納税証明書、住民票の発行など、区民事務所での窓口業務のほか、地方税の徴収、戸籍事務などを対象に市場化テストの準備を進めております。  次に、区長の政治判断についての反省と責任についてお尋ねいたします。  行政改革のリーダーシップを発揮している国政の小泉首相に対して、地方自治体でも、行政改革のリーダーシップを発揮している首長がおります。  福島県矢祭町に、根本町長という方がおられますが、根本町長は2000年に「合併しない宣言」を出し、それ以来、自立に向けて町長の音頭で、議会、行政、組合、そして、町民と一体となった行政改革に取り組んでおります。  人口7,000人の小さな町ですが、今まで役所は1人でやれる仕事を3人半でやっていたといって、町の職員は142名から77名に、町議会も18名から10名に、約50%近く減らしました。仕事もフレックスタイムで早朝から夜まで、しかも職員からの提案で、これは田舎だからできる話なのですけれども、役所職員の自宅が役所の窓口の一部を担うという、住民に近くて便利な役所をつくったのです。  しかも、役所は365日オープンで、3交代シフトと代休の活用で、職員の負担もふえることなく実現したといいます。ニュータウンの販売に奔走し、工場誘致や就労あっせんにも奔走し、過疎からの脱皮を図り、自立に向けた活動に取り組んでいる姿に、職員も感激し、町長が給料を半分にしたら、ある職員も同調を申し出たほどでありました。  そして、第3子以上を設けた家庭を対象に、新生児1人当たり祝い金など計100万円を支給しております。ここに1つの地方行政に求めるリーダーシップの姿を見ることができます。  ここで区長の、台東区行政のリーダーシップを発揮するトップの政治判断について、4点お尋ねいたします。  まず、1点目は、「子育てするなら台東区」とうたい、今回の総選挙でも、区長の所属する自民党を初め公明党も、民主党も、どこも、児童手当の拡充がマニフェストに示されているのに対し、区長は、ことしの4月から子育て支援手当を廃止してしまったのは、全く時代の流れや区民ニーズに逆行する政治判断ではなかったか、お尋ねいたします。  2点目は、保育待機児ゼロを目指しておりましたが、この4月には28人、現在は十五、六人と、まだまだ解消されていないのが現状でありますが、これを解消することが急務ではないかと考えております。どのように取り組まれるのかお伺いいたします。  3点目は、新東京タワー誘致に対しての政治判断のおくれが原因で、墨田区が建設予定地に決定し、実質的には持って行かれたという評価をしております。これについて、反省しているかどうかお尋ねいたします。  4点目、区長の政治ブレーンとなるアドバイザーの設置は、区長の政治判断をスピーディィにして、かつ明確な政治姿勢が見えることを期待して、大いに歓迎をしたいところであります。ところで、どのようなときに、このアドバイザーに対して、どのように生かし、活用していくのかお伺いいたします。  大きな2点目の質問に入ります。  18万都市実現に向けた住宅ビジョンイメージについて尋ねます。  区長の掲げる18万都市構想を目指すには、18万区民が良好な生活環境の中で暮らされることが重要で、そこでの世帯別や世代別、暮らし向きのビジョンをイメージして持っておくことが、具体的な政策づくりに反映されていくのだろうと思います。  今の住宅は、個人の人格の尊重を重視する余り、核家族化が進み2世代や3世代の家族が分断され、家庭内も子どもの数だけ子ども部屋があり、個室化が進み、家庭内でのコミュニケーションの機会も少なくなり、家族も分断されております。  台東区だけでなく日本の家族社会が崩壊し、今や危機的状態になろうとしているのであります。社会の最小単位は、個人でなく家族という単位であることをもっと重視し、尊重した地域社会をつくっていかなければならないのではないでしょうか。  このような視点から見ると、家族が暮らす住宅政策は、台東区の将来にとってとても重要なのであります。谷中、根岸の住宅地域の実態は木造密集住宅地域であり、他の区内の8割は商業地域ですが、上野の繁華街を除くほとんどが職住混在で、家内事業の生活者が多く、建物の老朽化が進み、建てかえ時期が来ております。  これらの住宅を建てかえようとするとき、また一方で、浅草の中心商店街でも、統一した町並み整備を進めているとき、今までにないきめの細かい用途地域の指定が魅力あるまちづくりに不可欠になると考えます。  そこで、住民に一番近い先端行政の台東区が線引きができるようになった今、現在策定中の都市計画マスタープランでは、ぜひきめの細かい用途地域の指定に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  そして、それぞれの地域の歴史的背景の中で培われてきた、横丁や路地の風土や文化が埋もれたり消えることなく、なりわいを継承できるような対策が必要と思いますが、いかがでしょうか。  そして、これから策定する住宅マスタープランでは、暮らしやすく魅力ある町の形成に寄与する住宅スタイルの明確なイメージを持って、台東区の将来が展望できる住宅スタイルを幾つか、台東区メニューとして用意することが重要と思いますが、いかがでしょうか。  また、これを今後のマンション建設にも対応させるまでの取り組みをぜひしていただきたいと思います。  核家族化が充満する中での少子高齢化は、地域社会を崩壊させる姿でありますが、その中に、一方では子育てで悩む若年世帯があり、また一方では、介護に悩む高齢者世帯やひとり暮らし世帯が多くあり、双方とも多くが行政支援を頼みにしていて、施設の受け入れ数不足で待機者は増加し、行政負担の増加にも一層の拍車をかけているのであります。  昔は、子育ても、介護も、二、三世代同居で、家庭内支援の中で支え合ってきたものですが、その姿は核家族化で見られなくなり、施設頼りの傾向が増長するのを、単に時代の流れと見て本当にいいのでしょうか。  今こそ住宅政策と教育政策の転換を図り、日本の家族と家庭の姿を見つめて、将来の人口構成を正常化させ、地域社会を支えるための家族政策が必要なのではないでしょうか。  そこで区長、二世代、三世代住宅復活のための支援の拡充や、新しい生活スタイルであるコレクティブ住宅の促進などに取り組む必要があるのではないでしょうか。  コレクティブ住宅とは、若い世帯、そしてお年寄りの世帯が、お互いにパブリックなスペースを持って共通に暮らせる場、食事をともにする、それから、居間で一緒に過ごす、こういう時間を共有の場にすることが、お互いのコミュニケーションを図り、相互の支援が促進される、それをねらった住宅なのであります。ぜひ取り組むための研究をしていただきたいと思います。  3番目の大きな質問ですが、観光都市として、親切な浅草の交通アクセスガイドの整備について、4つお尋ねいたします。  つくばエクスプレスも開業し、来街者もふえました。交通利用者の相互利用も見られたり、観光地周遊のスタイルも多様化しているようです。つくばエクスプレスに乗ってきて、浅草散策の後に、水上バスに乗ってお台場に行って、帰りはゆりかもめから、都営浅草線押上経由で東武鉄道への乗り入れとか、想像以上の行動をされているようであります。  最近の浅草の町の中での店頭では、午前中は、観音様や花やしきや水上バス乗り場の道案内で忙しく、夕方はつくばエクスプレスや東武鉄道や東京メトロ、都営地下鉄の浅草駅などや、バス路線の行き先の停留所探しの道案内などで大変忙しく、圧倒的なお客さんになっております。最初は親切に教えているようでありましたが、余りの道案内の数にいいかげん面倒くさくなってきているのが実情であります。  そこで、つくばエクスプレスや東武鉄道、東京メトロ、都営地下鉄、水上バスの駅などへのガイドボードの整備を、浅草の町中の要所要所に整備していく必要があると思いますが、いかがでしょうか。  また、雷門地下駐車場への誘導ガイドボードを周辺主要路上に設置してはいかがですか。前回も前々回も質問しておりますが、前回の質問では、神谷バーや雷門の浅草文化観光センターの壁面に表示していただきました。最寄りの国道、江戸通りや浅草通りにはまだです。運転手の目線に入る、道路標識と同様の路上に設置する必要があるということであります。今回、これは3度目の質問になりますので、ぜひ実現をしていただきたい。実現できるまで質問を続けていきます。  中央区でも、区立浜町公園の地下駐車場、これは清洲橋通りに道路標示がありますし、最初のころは、質問したときに、民間の経営を圧迫するから、そういう道路標示は、区立駐車場への誘導はできないということでありましたけれども、区立駐車場をつくる以上は、最初から民間への経営圧迫が考えられるのは想定内でございます。それなら最初から、数百億円使ってつくらなければいいというふうに思うわけでありますが、つくった以上は利用してもらうという方向をしっかり取り組んでもらいたいと思います。  次の2点の質問は、当該担当に要請をしてはいかがという質問で、これも2回目の質問です。できるまで、これも何回も質問いたします。  まず、1つ目は、大江戸線「蔵前」駅の駅名を「浅草蔵前」という駅名に変えること。これは大江戸線利用者に、浅草へのアクセスのガイドを促せるということで、大江戸線の利用者もふえる。そして蔵前――今現在の蔵前駅の乗降の利用者もふえるということで、積極的に東京都交通局に働きかけていただきたい。そして、浅草蔵前駅になるときには、浅草への路上整備を進めて、浅草地域と浅草南部をつなぐパイプにされてはいかがでしょうか。  また、車社会の中、自家用車や観光バスで、地方から浅草に来られるお客様に、首都高速道路上のアクセスガイドとして、最寄りの駒形や、もう一つ向島というランプがありますが、これのランプの名称を、それぞれ「浅草」をつけるよう、名称の変更を首都高速道路公団に積極的に要請してはいかがでしょうか。  観光地ですから、大勢の方が遠くから車で来街されます。ドライバーがストレートに浅草の町を訪れられるような、そんなアクセスガイドが必要だということで、積極的にぜひ取り組んでいただきたいというふうに思います。  以上で質問を終わります。  雑多な質問になりましたけれども、心ある答弁を、区長さんよろしくお願いいたします。(拍手) ○議長(実川利隆 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長、吉住弘さん。          (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 関根議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、区政の取り組みについてでございます。  まず、改革についてでございます。  本区は、これまでも、区民サービスの向上及び効率的・効果的な行政運営を推進するため、鋭意行財政改革を実施してまいりました。  現在、長期総合計画及び行政計画を確実に推進していくため、行政経営推進プランに基づき、取り組みを進めているところでございます。  今後とも、「にぎわい いきいき したまち台東」の実現を目指し、区民の目線に立った区政運営に努めてまいります。  次に、官民の役割分担についてでございます。  本区は、これまで行財政改革を進める中で、行政の担うべき分野に留意しつつ、社会経済状況の変化に合わせて、区民サービスの向上と経費の削減が可能なものについては、民間への委託を積極的に推進してまいりました。  今後、区民ニーズの多様化が進む中、効率的な区政運営を進めるため、民間の力を活用することが一層求められるものと考えております。  次に、「市場化テスト」の導入についてでございます。  議員ご提案の「市場化テスト」につきましては、現在、国で市場化テストのための法整備を進めている状況でございます。  今後は、国などの動向を注意深く見守りながら、区として検討を進めてまいります。  次に、子育て支援施策についてでございます。  子育て支援手当は、区が独自に実施してきたものでございますが、これまでも各種の子育て支援施策を充実してきたことや、国の児童手当が小学校3年生まで拡充されたこと。さらに、全国に先駆けて、乳幼児医療費助成制度の大幅な拡充を図ったことなどを勘案して、廃止したものでございます。  今後の子育て支援施策につきましては、「台東区次世代育成支援地域行動計画」に基づき、国や都の動向も見ながら総合的に拡充を図ってまいりたいと存じます。
     次に、待機児童解消に向けた対策についてでございます。  まず、本年度、浅草橋保育園の大規模改修を実施し、一時保育室を設置するとともに、入所定員の拡大を行うこととしております。  また、新たな保育の担い手である認証保育所をこれまでも積極的に誘致してまいりました。来年度も行政計画に基づき、新たな認証保育所を誘致する予定でございます。  今後とも、保育園の改修に伴う入所定員の拡大や認証保育所の誘致に加え、家庭福祉員の要件の緩和を検討して、その増員を図るなど、総合的な手法により、待機児童の解消に努めてまいる所存でございます。  次に、新東京タワーについてでございます。  議員ご指摘の政治判断につきましては、私は諸般の情勢を見きわめ判断してまいりました。  今後は、浅草地域に隣接する業平橋・押上地区が建設候補地に選定されたことを好機ととらえ、墨田区との連携を図るとともに、浅草のまちづくりを進める上で、タワー建設の効果を十分引き出せるよう積極的に取り組んでまいります。  次に、区長アドバイザーについてでございます。  年々多様化・複雑化する行政課題に対応するため、アドバイザーを導入することといたしました。  私は、より高度な政策判断を要する問題や、自治体として戦略的に取り組むべき課題につきまして、随時アドバイザーに助言や進言を求め、判断の迅速化を図るとともに、的確な政策決定を行ってまいりたいと考えております。  今後も、社会経済状況や時代の変化の把握に努め、区民ニーズにこたえた区政を展開してまいります。  ご質問の第2は、住宅ビジョンイメージについてでございます。  まず、都市計画マスタープランについてでございます。  台東区は、さまざまな表情を持つ地域から構成され、それぞれの地域が町のなりわいや文化性を有し、独自の輝きを放っております。  こうした本区の特色を生かすまちづくりには、地域性を高める土地利用の方針や、住宅及び住環境の整備方針を明らかにすることが重要であると認識しております。  そこで、現在策定中の都市計画マスタープランでは、区民の皆様が望む町のイメージを反映しつつ、地区計画や特別用途地区の指定、景観協定などの手法によって、住宅及び住環境のあるべき姿に誘導していくことを掲げてまいります。  私は、長い歴史の中で培われた文化性やコミュニティを大切に、「にぎわい いきいき 18万都市」をスローガンにまちづくりを推進してまいります。  次に、住宅マスタープランについてでございます。  住宅マスタープランは、都市計画マスタープランと相互に密接な関係にございます。したがいまして、同時に策定を進めることにより、互いに意見を反映させ、実効性のある計画策定が可能になると考えております。  また、住宅マスタープランでは、社会経済状況の変化や地域特性を踏まえた住宅政策の理念、目標、施策展開等を定め、本区の住宅、住環境のあるべき姿を明らかにする必要があると認識いたしております。  少子高齢化が進み、区民の価値観やライフスタイルが多様化する中で、地域コミュニティを育成するような新しい住まい方について、住宅マスタープランの中で検討してまいります。  ご質問の第3は、浅草の交通アクセスガイドの整備についてでございます。  まず、交通機関相互のガイドボードの整備についてでございます。  交通機関及び観光ポイントなどの案内情報を来街者の皆様方に提供することは、国際観光都市として重要なことでございます。  標識などの設置につきましては、町の景観や交通安全対策などに配慮しながら、整備を進めてまいります。  次に、雷門地下駐車場への誘導ガイドボードの設置についてでございます。  雷門地下駐車場につきましては、これまでも、利用促進の視点から、民間施設への電光掲示板、道路上の案内標識等を設置してまいりました。  また、駐車場までの誘導システムとして、カーナビゲーションや携帯電話による情報提供を行っております。  今後も、より多くの方々に利用していただけるよう、案内表示等を工夫してまいりたいと存じます。  次に、大江戸線「蔵前」の駅名を「浅草蔵前」に、首都高速「駒形ランプ」の名称を「浅草駒形ランプ」に変更することについてでございます。  名称につきましては、地元の意見を聞きながら、その意向を十分尊重して名づけられたものと伺っております。また、名前がわかりにくいなどの苦情や要望は届いていないとのことでございます。  こうした状況を踏まえ、議員ご指摘の来街者にわかりやすい名称や親しみが持てる駅名等につきましては、利用者等の声に耳を傾けながら判断し、適宜、事業者に対し要請してまいります。 ○議長(実川利隆 さん) 2番太田雅久さん。          (2番太田雅久さん登壇)(拍手) ◆2番(太田雅久 さん) 自民党の太田雅久でございます。  平成17年第3回定例会に当たり、区長並びに教育長に質問をさせていただきます。より明快なお答えをよろしくお願いいたします。  まず初めに、介護予防についてお尋ねいたします。  介護保険法が施行されてから5年が経過し、法律改正が迫られている中で、介護認定者の増加、特に要支援、要介護1、2の急激な増加が明らかになりました。  これから老後を迎える方々に、住みなれた地域で、いつまでも健康で、生き生き生活してもらい、介護を必要としないよう予防するために、この「介護予防」の普及が大きな課題になっているわけであります。  台東区でも、先日行われた、本区の高齢福祉推進協議会の委員長を務めていただいている、大正大学の橋本泰子先生による講演会を開催したり、転倒予防教室や筋力向上トレーニングなど、早期から取り組んでおりますが、まだまだ大きな成果は上げられていないのが現状であります。  各自治体でも試行錯誤し、あらゆるメニューを駆使して、取り組みが行われているところであります。  練馬区を例に挙げますと、筋力向上トレーニングの体験教室に参加のその日を、運動をする習慣、継続のためのきっかけとして位置づけ、教室終了後に、利用者が運動を習慣として行えるように支援することを、事業の本質としてはっきりうたっているのが特徴的であります。  実際に、トレーニング教室終了後に、指導員が運動の習慣、継続の大切さを会員の皆様によく理解していただき、今後、利用できる施設の場所や見学会を企画し、1人1人フォローアップに努めている作業を行っております。  その結果、体験終了後、80%以上の方が何らかの方法でトレーニングを継続し、大きな効果を上げているということであります。  体験者の中には、体が大変軽くなった、外に出歩く機会がふえ、杖を使っていたが、使用しなくても済むようになった。動くとすぐ疲れていたが、疲れを感じず自信がついた。病後の体力低下で気がめいっていたが、仲間もでき、心身ともに回復した。また、元気になったために、家族から家事を押しつけられ、かえってつらくなってしまったという、うれしい悲鳴もありました。  体力向上トレーニング教室終了後、1カ月後では70%、6カ月後では60%の方が運動を継続しているということで、少しずつこのフォローアップの効果が出てきているということでありました。しかし、40%の方が途中であきらめてしまっている現実もあります。運動の継続の妨げになっている大きな壁は、やはり一緒に行動できる仲間がいないことです。環境やベクトルが同じ仲間がいることが力になっている。この仲間づくりが今後の課題であることは間違いのないところだと思います。  介護予防には、筋力向上トレーニング、転倒予防、痴呆予防、尿失禁予防、栄養不足の方のために低栄養予防、靴の適正とインソールの調整による足のトラブル、歯みがきの励行と義歯(入れ歯)の調整を行う口腔ケア。  また、本区でも講演をいただきました東北大学の川島隆太教授が推進している脳の機能向上など項目が多岐にわたってありますが、私は、まずそれぞれの同じ境遇の人たちを集め、介護コミュニティなるものをつくって、仲間づくり、仲間意識の構築から始めることが、これからの介護予防には欠くことのできないものだと考えております。  また、老人クラブなどに声をかけ、介護予防の必要性をよく理解してもらい、グループで参加を募るのも効果的な手法だと考えています。  介護予防は、導入部分、また、継続の部分でいろいろと困難がありますが、これらの方法を利用して、少しでも多くの高齢者が、1日でも長く元気に過ごせるように、再度この制度の強化を進めていただきたいと考えておりますが、区長のお考えをお聞かせください。  また、あわせて、現在の介護予防は、65歳以上をターゲットにしていますが、65歳未満の方にも、たくさんの予備軍がいるのは周知のとおりであります。今までも、「健康たいとう21推進計画」などの取り組みがなされてきましたが、改めて、準介護予防の周知も重ねてお願いしたいと思います。  次に、浅草通りシンボルロード整備についてお尋ねいたします。  上野と浅草をつなぐ、この大きな幹線道路である浅草通りのシンボルロード構想が立ち上がってから、12年の月日が流れようとしております。その間、調整会議、協議会、検討委員会など、いろいろと審議され、今までに80基以上の道路照明が整備されました。しかし、地元の方々は、シンボルロードに対して全く意識が高まっていないのが現状であります。  平成15年2月に作成されました、浅草通りに関する基礎調査の報告を踏まえて、翌年、平成16年1月、浅草通り整備に関する基本構想が検討されました。  また、本年1月には、報告書の整備モデルに沿った提案を東京都に要請したところであります。東京都に現在の進捗状況を聞いたところ、鋭意検討を重ね、年内には基礎的なプランを提出することができるであろうと回答がありました。  台東区でも、都市計画マスタープランの中間報告の中で、シンボルロードの整備方針が出されたり、産業振興の評議会の方々やまちづくりのワークショップの方々、青年会議所(JC)の方々からもご審議をいただいているとお聞きしています。  しかし、前段でも述べましたが、肝心の地元の方々への認識の徹底、また、盛り上がりを推進していかなければならないと強く感じています。  このシンボルロード構想の基本的なコンセプトは、「各自治体が地元住民の意見を反映させつつ、地域の特性を踏まえて、都市計画の基本的な方針を定めるもの」としてあります。であるならば、まず住民の方々から意見を聴取して、その方針にのっとって進めていくべきだと考えますが、都が考えている基本的なプランを踏まえて、今後、どのようにこのプロジェクトを進めていかれるのか。また、地域の方々の代表からなる「浅草通りシンボルロード検討委員会」を再構築すべきだと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。  次に、教育問題についてお尋ねいたします。  まず、役所と学校のLANの接続についてお尋ねいたします。  先日、東上野において傷害事件が起きました。多くの警察官が自転車で走り回り、ヘリコプターまで出動し大捕り物となりました。犯人はナイフを持って逃走中とのことで、近くにいた小学校の父兄が学校に連絡をしたところ、教育委員会からの連絡がまだだったため、学校から教育委員会に連絡をし、改めて各学校にファックスで連絡を入れたということでありました。  警察からもすぐには連絡が入りませんでした。幸い、通り魔の犯行ではなかったこと、学校の登下校の時刻ではなかったことで大事には至りませんでしたが、ちょっと間違えれば、第2、第3の事件に巻き込まれたかもしれないと考えると、恐怖を覚えざるを得ません。  過日、小学校の目の前で起きた強盗事件の際もすぐには連絡が入りませんでした。場合によっては、多くの影響を与えてしまうことで情報が出せないことがあるかもしれませんが、子どもの命より重い対象があるでしょうか。私には到底考えられません。当日は、親が学校まで子どもを引き取りに行ったそうですが、なぜもっと早く情報が出せないのか、今後の取り組みについてお聞きしたいと思います。  また、情報が入ったら速やかに連絡するのは当たり前ですが、急を要する場合には、教育委員会ではなくとも、危機管理室から直接学校に送ってもいいと思います。そのときに、ファックスではなく、役所と学校、教育委員会と学校とLANで接続していれば、少しでも早く情報が流れると思っています。  現在、学校の事務室に、財務処理用でLAN接続のパソコンがありますが、校長や副校長が、直接情報が見られるパソコンを増設していただきたいと思いますが、LANの接続について区長のお考えをお聞きいたします。  合宿通学についてお尋ねいたします。  最近、あらゆる社会生活の中で、人間を取り巻く環境が希薄になっていると言われ続けています。とりわけ、地域と子どもたちのかかわりが日常的でなくなってきたために、町内の子どもだけれど、どこの家の子どもだかわからないというのが頻繁に見受けられます。  そこで、地域と家庭、地域と学校との関係を深めるために、「合宿通学」を取り入れたらどうかと考えました。  荒川区で行われている例を取り上げますと、小学校4年から6年の生徒を親元から離し、おおむね4日間から5日間、地域の町会会館や商店街の会館などをお借りして、異年齢で共同生活や地域での体験活動をしながら、学校に通学するという取り組みです。  それにより、家庭の大切さを再認識するとともに、互いの触れ合いや大人とのコミュニケーションを図り、生活することの実感や喜びを体験することができます。  実施に当たっては、地元、町会、PTA、青少年対策関係の委員、商店街の方々などで企画・運営をしてもらい、二、三名のボランティアが宿泊をともにし、買い物や食事の支度の支援をしてもらって行います。  荒川区では、平成11年からこの事業を実施し、かなりの成果を上げているということであります。例えば、いろいろな活動を通して、地域の人たちとのコミュニケーションをとるよい機会ができた。また、自分たちが自主的な活動をすることで、自立に対する意識が強まり、同時に地域の方や保護者に感謝の気持ちが芽生えた。回を重ねている学校では、上級生が下級生の世話をするなど、異年齢交流を通して上級生としての自信と責任が身についてきた。  また、家庭においても、我が子の自立の意思や成長を見ることができ、合宿中、家庭にいなかった子どもの存在感の大きさを改めて認識する機会となり、親にとっても、子どもにとっても、きずなを強くするよい機会になっている。このように地域や家庭ではもちろん、学校でもよい成果が出ているということであります。  これは、本区が行っている「心の教育推進運動」にものっとっていると確信をしております。子どもたちの生活環境をよくするために、ぜひこの取り組みを実施していただきたいと思います。  また、この事業のステップアップのものとして、中学校2年で行う「職場体験学習」と連動すれば、もっと大きな効果が出ると考えています。  この「職場体験学習」については、平成16年第3回定例会の一般質問において、ニート問題の予防策として最も有効な手段であると、私は質問させていただきましたが、その後の対応についてはどのようになっているのでしょうか。合宿通学の実施と職場体験学習の取り組みについて、あわせて教育長にお聞きしたいと思います。  次に、教師の給与制度の見直しについてお聞きいたします。  都の教育委員会は、現在5段階しかない教師の給与表を細分化しようという報告書をまとめ、都議会に提出しました。1級(実習助手)、2級(一般教諭)、特2級(主幹)、3級(副校長)、4級(校長)、現在その5段階のうち、85%が2級の一般教諭で占められているということであります。  旧来の制度がさまざまな面で行き詰まりを見せている中、学校教育について、解決すべき多くの課題を抱えています。その解決のために、年功的、一律的な給与制度を見直し、職責、能力、業績をより反映した給与制度とし、重責を押して昇給したくなるような環境を提供することが、今後の大きな課題であると報告書には記載されております。  多様化する教育問題を解決するためには、教師が意欲や能力を最大限に発揮してもらわなければならないと考え、そのためには、教育意欲の刺激に富んだ給与制度を実現することが不可欠であると思っています。  一昨年来日し、台東区で講演をしていただいた、アメリカ最優秀教師のベッツィー・ロジャース氏は、博士号を取得しており、その資格が報酬に反映し、その反映が他の教員や教育現場にも多大な影響をもたらしているということでありました。  本区でも、それぞれの教師が、教育現場で能力を十分に発揮できる環境を、一刻も早く実現していただきたいと思っています。  本区でも、手をこまねいているだけではなく、できることは区レベルで推進していただきたいと思っています。  例えば、クラブ活動の顧問の先生たちの中には、放課後の練習はもちろん、毎日朝練習をしたり、プライベートの時間をすべてといっていいくらいに子どもたちの時間に充てて、区の大会でも、上部の大会でも、すばらしい成績をおさめている方がおります。  また、その活動を通して、子どもたちに忍耐や辛抱、連帯感や達成感といった、心に刺激を与え、礼儀や作法といったことまで教えている方もいらっしゃいます。  そんな先生方にも、区から何らかの方法で労をねぎらい、さらに意欲が倍増するような施しをするべきであると考えていますが、教育長のお考えをお聞きいたします。  また、教員の問題に触れると、必ず話題に上る指導力不足の教師の問題があります。現在、該当者は区や都の施設で研修を重ね、気持ちを新たに現場に復帰しているわけでありますが、中にはそうでない人もいるかと思います。  該当する教師が現場にいるとき、今の制度では、東京都まで話を持っていかなくては処理ができません。こんなとき、現場の判断と教育委員会の決断で、該当者を免職することができるような制度を、自治体が持っていてもいいのではないかと思っています。  近い将来、団塊の世代の定年に伴って、教員も大量に採用しなくてはならないときが来ると思います。そんなときのために、この制度を東京都に上申していただき、常に活気にあふれた教育環境を子どもたちのために提供してあげたいと思いますが、教育長はどのようにお考えか、ご答弁いただきたいと思います。  最後に、コールセンターについてお尋ねいたします。  コールセンターの開設から、はや3カ月が経過しました。これまでさまざまな問い合わせが寄せられ、問い合わせ内容の傾向なども把握されてきたと思います。  そこで、今までの受け付けの実績や問い合わせ内容の傾向、特徴についてお聞かせください。  また、開設後間もないということもあり、問い合わせの件数もまだ少ないと思いますが、区政の総合案内として、より多くの区民の方に利用してもらえるように、さまざまな工夫をしていっていただきたいと考えています。  そこで、今後、コールセンターの便利さをより積極的にアピールすべきと考えますが、その手法についてお聞かせください。  そして、利用者がふえたときに、代表電話との整合性はどうなるのか。代表電話はなくしてしまうのか。それとも、両者とも並行して生かしていくのか、お答えいただきたいと思います。  第2回定例会一般質問において、我が会派の寺井議員の質問に、区全体の接遇レベルアップのため、接遇研修の実施や各課に接遇マネジャーを配置し、職員への具体的な指導を行っていると区長から答弁がありました。見るところ、全体的にはよくなってきていると思いますが、残念ながら、まだ徹底していない所管もあるようです。  この取り組みは大いに評価し期待をしているところですが、この接遇マネジャー制度の現状と今後の取り組みについてお聞きしたいと思います。  これで私の質問を終わります。聴取ありがとうございました。(拍手)          〔発言する者あり〕 ◆8番(太田雅久 さん) 大変失礼いたしました。
     教育問題のところですが、役所と学校のLANの接続について、前段については区長にお聞きしたいと思います。後半については、教育長に答弁をいただくように訂正させていただきます。よろしくお願いいたします。 ○議長(実川利隆 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長、吉住弘さん。          (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 太田議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、介護予防についてでございます。  介護予防は、区民1人1人が生涯を通じて、みずからが進んで健康づくりに取り組むことにほかならないと考えております。  そのためには、議員ご提案のように、地域での仲間づくりが極めて重要であります。仲間づくりは、地域での支え合いの基礎となり、閉じこもりの予防を初め、さまざまな地域活動や運動の習慣など、日常における継続的な介護予防の意欲を高めるものでございます。  今後は、このような仲間づくりのネットワークを全区的に構築し、より効果的な介護予防の推進に取り組んでまいります。また、介護予防の取り組みは、できるだけ早期からの対応が重要であり、「いきいき・たいとう推進プロジェクト」の中で、生涯健康づくりの視点から、意識啓発や情報提供を初め区民の総合的な支援を進めてまいります。  ご質問の第2は、浅草通りシンボルロード整備についてでございます。  浅草通りは上野と浅草を結ぶ重要な通りであり、東京都がシンボルロードとして整備を図る予定で、具体的な整備内容を区と東京都で協議を進めております。  整備に当たりましては、区のまちづくり方針に沿った整備とすることはもとより、単に交通機能だけではなく、地域のまちづくりに資する道路とするよう、東京都に要望してまいります。  また、議員ご指摘のとおり、地域の皆様の要望が整備計画に反映されるよう、検討委員会を設置し、区としても積極的に東京都に働きかけてまいります。  ご質問の第3は、教育問題についてでございます。  犯罪情報に関する区と警察署との連携についてでございますが、区民に危害が及ぶ可能性のある犯罪について、迅速に情報提供を行い、区民などとの情報の共有化と地域の安全を高めることは大変重要でございます。このため、区では新たに10月から、携帯メールによる犯罪情報などの配信を開始いたします。  今後とも、犯罪情報の提供につきましては、警察署と十分協議し、連携の強化を図るよう努めてまいります。  ご質問の第4は、コールセンターについてでございます。  コールセンターは6月1日の開設以来、9月20日までの77日間で556件のご利用をいただいております。  問い合わせ内容は、主に戸籍や住民票等に関係する内容が多くなっておりますが、観光行事や区民生活にかかわるものなど、幅広い質問が寄せられております。  また、コールセンターのPRにつきましては、これまでにも広報紙やホームページ、またポスターやエコーはがきなどで周知を図ってきたところでございます。  私といたしましては、コールセンターをより多くの方にご利用いただきたいと考えておりますので、今後は来街者、転入者などに向けて積極的に周知するとともに、区の各種行事においてもPRしてまいります。  さらに、利便性の向上を図るために、メールやファックスによる受け付けを開始いたします。  次に、代表番号との整合性についてでございますが、現在コールセンターと電話交換台において情報の共有を図り、内容の統一化に向け取り組んでいるところでございます。  将来、コールセンターの需要が伸びた場合は、受け付けを一本化するなど検討してまいりたいと考えております。  次に、接遇マネジャーについてでございます。  区では、コールセンターの設置を契機として、区全体の接遇向上を図るため、各課に接遇マネジャーを配置いたしました。約70名の接遇マネジャーは、これまで接遇リーダー研修により、具体的なノウハウを充実するとともに、職場において電話や窓口対応などの指導を行っております。  今後も、接遇マネジャーには、さらなる研さんを重ねさせるとともに、各職場の特性に応じたマニュアルの作成等を通じて、区民の皆様により満足していただける、一歩先を見据えた窓口サービスの実現を目指してまいりますので、よろしくお願いいたします。  その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。 ○議長(実川利隆 さん) 教育長、野田沢忠治さん。          (教育長野田沢忠治さん登壇) ◎教育長(野田沢忠治 さん) 太田議員の教育問題についてのご質問にお答えをさせていただきます。  まず、役所と学校のLANの接続についてでございます。  区役所と各学校は、主として財務会計事務を活用するために、現在LANで接続されておりますが、学校経営の責任者である校長等との情報伝達手段としては、必ずしも十分なものではございません。  そこで、今後は、先ほどご指摘のような危機管理情報を初め、区の情報が校長等に迅速に伝わり、また、情報交換が一層円滑にできるよう、全庁LANの充実に向けて、区長部局と協議をしてまいりたいと存じます。  次に、合宿通学についてでございます。  今日、子どもたちは、さまざまな実体験の機会が少なくなっていると言われております。子どもたちが健やかに成長するためには、体験活動の機会の充実を図っていくことは、極めて重要なことと認識しておりまして、これまでも、例えば区内全中学校においても、1日ないしは2日間の職場体験など施策を行っております。  現在、本区の社会教育委員会議では、さらに子どもたちの心を育てる体験活動の推進をテーマに、研究協議を進めていただいております。  その中で、ご提案の「合宿通学」につきましても、荒川区の視察等を行っております。この事業により、子どもたちが共同生活を送る中で、互いに協力しながら、さまざまな体験をし、人間関係について学ぶとともに、家庭、地域の教育力の向上も期待できるのではないかと考えられております。  実施に当たっては、学校との連携、保護者や地域の方々のご理解、ご協力が不可欠でありますし、また、実施方法などについても、職場体験を取り入れるなど、台東区の独自性や地域特性を生かすことも考える必要もあり、そういった課題を含め、さらに研究協議を進めていくこととしております。教育委員会といたしましても、社会教育委員会議の提言を踏まえ、今後検討してまいりたいと存じます。  また、東京都が平成19年度を目途に、都内全中学校への導入を計画しております「中学生の職場体験」の方向も踏まえながら、より効果的なものとなるよう検討をしてまいりたいと存じます。  最後に、教師の給与制度見直しについてでございます。  議員ご指摘のとおり、多様化する教育課題を解決するためには、教員の指導力の向上や意欲が大切でございます。教育委員会といたしましても、1人1人の教員がみずからの能力を十分に発揮できるような環境を整備していくことが必要だと考えております。  その1つの取り組みとして、今年度より、区独自に優秀教員奨励制度を設け、卓越した指導力のある教員及び放課後や学校休業日に、部活動などで子どもや地域に貢献した教員を表彰し、教員の意欲を喚起してまいります。  今後さらに教員の意欲を高めるため、区教育委員会として可能な方策を検討してまいります。  また、教員の任免権につきましては、東京都教育委員会の所管事項でございます。しかし、服務監督権限は区教育委員会にございますので、現在でも、新しく本区に転入してきた教員や新規採用教員については、できる限り速やかに、そして、継続して勤務する教員につきましては、適宜、校長や区の指導主事が授業観察をし指導力の把握に努めております。  仮に指導力等が不足していた教員につきましては、東京都教育委員会が行う業績評価により、昇給の延伸等、業績が給与に反映する仕組みにはなっております。  しかし、肝心なことは、教員の指導力を向上させ、立派な子どもを育ててもらうことにありますので、指導力が足りないと思われる教員、服務上問題のある教員につきましては、校長と指導主事が連携をとりながら、継続的に指導を続けております。  これから数年で、団塊の世代の教員が退職時期を迎えます。多くの教員が新規採用されることになることに伴い、教員の採用試験の競争倍率、ひいては資質の低下に対する懸念の声もございます。  区といたしましては、教員の資質の向上に全力で取り組んでまいりますが、それでも指導の成果が見られない場合には、東京都教育委員会に内申するなど、毅然とした態度で対応してまいりたいと存じます。 ○議長(実川利隆 さん) 4番君塚裕史さん。          (4番君塚裕史さん登壇)(拍手) ◆4番(君塚裕史 さん) 平成17年第3回定例会に当たり、区民クラブを代表いたしまして、区長に質問をいたします。  質問に入る前に、さきの台風14号で被害に遭われた被災者の方々に、心よりお見舞いを申し上げます。  また、都内でも、台風14号の接近に伴う集中豪雨で、4日深夜から5日未明にかけて、河川のはんらんなどが発生し、1,659戸に床上・床下浸水の被害が出るなどしました。  本区におきましても、先ほど公明党の杉山議員からも報告がありましたように、9月20日12時現在、床上浸水(12)、床下浸水(153)の被害がありました。こうした中、一晩じゅう、区民の安全と安心を守って奔走していただいた行政当局の方々に対し、この場をおかりいたしまして、心より敬意をあらわしておきたいと思います。  それでは、質問に入らせていただきます。  まず、区内伝統工芸等におけるPR活動についてであります。  台東区は、江戸の昔から庶民の町、江戸文化発祥の町であります。今なお江戸時代からの神社、仏閣の職人たちが培った伝統産業が受け継がれております。例えば、江戸指物師、弓矢、彫金等の皆さんが加入している台東区伝統工芸振興会、仏師、蒔絵師、文字彫刻師等の江戸神仏師会、そして、木彫師等の方々の台東区文化振興会等、下町の歴史と風土の中ではぐくまれ受け継がれてきた伝統技能を伝える職人さんが、台東区には多く住んでいます。その職人さんが、鍛え抜かれたわざと選び抜かれた材料とでつくる伝統工芸品は、どれもすばらしいものばかりであり、全国に誇れる本区の宝物であります。  さて、このすばらしい作品が展示されている区立江戸下町伝統工芸館(ギャラリー匠)では、現在、夏と冬の年2回、伝統工芸品のオークションが開催されております。  区長は、平成17年第3回区議会定例会区長所信表明の中で、この秋、区役所1階に台東アートギャラリーを開設すると表明いたしましたが、ぜひこのアートギャラリーの中に、伝統工芸品の展示コーナーを開設していただくとともに、展示即売会を行ってみてはいかがでしょうか。また、アートギャラリーの性格上、困難であるならば、生涯学習センター等での開催ができるよう検討してはいかがでしょうか。区長のご所見をお伺いいたします。  次に、外国籍の方々へのサービスの充実についてお伺いいたします。  区長は、平成16年第1回定例会所信表明で、平成16年度予算案の中で、国際文化観光都市として、国内外の観光客の増大を図る「台東区招客促進キャンペーン」の実施を表明いたしました。私は、少なからずその成果のあらわれだと評価しておりますが、平成17年8月末現在、我が台東区に、全世界より75カ国から1万133人の外国籍の方々が、魅力ある台東区に来て住んでおられます。  こうした中、在住者の一番多い国は韓国、そして朝鮮の方々で4,421人、次は中国の方々が3,384人、そして、フィリピンとインド両国の方々が1,217人と上位を占めております。  私ごとではありますが、日本人と外国人の間に生まれた子どもは、日本国籍と外国籍の2つの国籍をある時期まで持つことになります。  国籍法第14条に書かれているように、いずれはどちらか1つの国籍を選択しなければなりません。それまでの間は両方の国籍を持つことになります。しかしながら、渡航時においては、当然パスポートが必要になります。このパスポートを作成するときに、必要な申請書類の翻訳があれば非常に助かるわけであります。また、その他の証明書等の翻訳についても同様であります。  この外国籍の方々への戸籍住民サービスの一環として、申請書、証明書等の書類をハングル、中国語、英語等で作成したらいかがでしょうか。国においては、既に英語を中心とした証明書の翻訳発行を行っております。  法律の制約はあるとは思いますが、可能な範囲で、本区における外国人サービスのさらなる充実に向け、これらのサービスの提供を行うべきであると思いますが、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、都市交流についてお伺いいたします。  初めに、日豪交流年についてお伺いいたします。  ことしは欧州年で、デンマークのグラズサックセに、本区からも区長を初め国際交流委員の方々が行かれ、多種の文化交流を展開し、現地において多大な評価をされたと聞き及んでいるところであります。  こうした中、2006年は日豪交流年、いわゆるYOEであります。これは1976年、日豪友好協力基本条約の締結30周年を記念するものであります。本条約は、日豪両国が国益を共有する政治、経済、貿易、通商、社会、文化、その他さまざまな分野における2国間関係の強化・多様化を目的としています。2006年日豪交流年では、日豪関係を祝うさまざまなイベントや交流事業を開催し、両国のグループや組織の参加を募っています。  そして、台東区とオーストラリアのマンリー市は、言うまでもなく姉妹都市であります。そこで現在、台東区はこの日豪年に向け、イベントや交流事業等を検討する必要があると考えますが、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、サービスの提供についてお伺いいたします。  現在、本区は1つの姉妹区、4つの姉妹都市、5つの友好都市、合計10の自治体と姉妹・友好都市交流を締結しております。  そこで、私からの提案ですが、例えばオーストラリアのマンリー市の人が本区に来たら、本庁舎または浅草文化観光センター等の区の施設において、マンリー市から来たという確認がとれるもの、例えばパスポートや免許証等でありますが、これらを提示することにより、訪問記念品等を贈呈してはいかがでしょうか。もちろん、台東区民の姉妹・友好都市の訪問時も同様であります。  このような状況を、例えば同行の他都市の友人がそれを見聞きすれば、都市交流のすばらしさ、台東区の魅力を肌で感じることができると思います。もちろん、国内の姉妹・友好都市においても同様であります。これにより、より一層の区民交流と住民間の意識の高揚が図られると思いますが、区長のご所見をお伺いいたします。  私は、ライフワークとも言える都市交流について、今後とも折に触れ、区長、そして教育長に対し質問、そして意見・提案をしてまいる所存でございます。  本件につきましては、とどまることなく諸事業をより積極的に進めていただくことを切に要望し、私の発言を終わります。  ありがとうございました。(拍手) ○議長(実川利隆 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長、吉住弘さん。          (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 君塚議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、区内伝統工芸等におけるPR活動についてでございます。  議員ご指摘のとおり、区内伝統工芸は、江戸時代から多くの職人により支えられ、下町の歴史と風土の中ではぐくまれ受け継がれてきており、区といたしましても、守り育てていかなければならないと考えております。  伝統工芸品のオークションにつきましては、昨年から夏と冬の2回開催しております。PRにつきましては、ポスター、チラシ、インターネットなどを活用しておりますが、今後とも、議員ご指摘の趣旨を踏まえ、さらなるPRに努めてまいります。  また、伝統工芸品の展示につきましては、現在、本庁舎1階と浅草文化観光センターに常時展示しているほか、伝統工芸品に対する関心を深めていくため、定期的に東京国立博物館、国立科学博物館、都庁観光情報センター、各地の地域イベント等において、実演とともに紹介しているところでございます。  今後とも、あらゆる機会をとらえて広く周知してまいります。  ご質問の第2は、外国籍の方々へのサービスの充実についてでございます。  まず、区が発行する公的証明書の外国語表記による交付についてでございます。  戸籍謄抄本や住民票の写しなどは、個別の法律により、記載の内容や形式が決められております。また、証明書の提出先によっては、外務省の認証、公証人の公証、翻訳業者の指定など、異なった要件を設定しております。このため、各国の実情に合わせた個別的対応が必要であると認識いたしております。  議員のご提案につきましては、今後研究してまいりたいと考えております。  次に、主に外国人の方が利用する窓口で使用する申請書等につきましては、日本語とともに英語でも表記しておりますが、今後は、ご指摘の中国語やハングルの併記等も検討し、より利用しやすい窓口としてまいります。  ご質問の第3は、都市交流についてでございます。  本年は、EU市民交流年の記念イベントとして、姉妹都市のグラズサックセ市を、国際交流委員会の会員の皆さん34名とともに訪問し、茶道や書道、そして踊りなどを披露する「台東日間文化交流」を行い、地元からも大変な歓迎を受けたところでございます。  日豪交流年である来年につきましても、姉妹都市のマンリー市への訪問や、充実した記念イベントの実施に向け、国際交流委員の方とともに現地を訪問し、会場の調査や内容の選定等、マンリー市との協議を予定しております。  なお、国への「2006年日豪交流年」事業の認定申請につきましては、イベント内容が確定し次第行ってまいりたいと考えております。  次に、サービスの提供についてでございますが、議員のご意見のとおり、区民レベルの都市間交流は、都市交流の根幹をなすものと認識いたしております。  現在、国内の姉妹・友好都市につきましては、朝倉彫塑館のほか4施設の割引入館券つきの観光パンフレットを送付し、来訪の促進を図っているところでございます。  また、区民が姉妹・友好都市を訪問した際におけるサービスにつきましては、現在一部の都市で宿泊施設等の割引を行っております。
     今後とも、友好・姉妹都市相互間のさらなるサービスの向上につきまして、各都市と協議・研さんを重ねてまいりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。 ○議長(実川利隆 さん) 以上で、一般質問は終了いたしました。  ただいま橋詰高志さんから発言を求められておりますので、これを許可いたします。  9番橋詰高志さん。          (9番橋詰高志さん登壇) ◆9番(橋詰高志 さん) 先ほどの私の介護保険についての質問の中で、「千束の老人保健施設では、第3段階で平均すると、月額、多床室で――――――が―――――に、個室では、―――――が―――」にもなります。この部分を、「千束の老人保健施設では、月額、多床室で―――――――が―――に、個室では、――――――――が――――――――になる例もあります」と、訂正をいたします。          〔「それではだめだよ、それでは」「休憩」と呼ぶ者あり〕 ○議長(実川利隆 さん) 暫時休憩いたします。          午後 4時45分 休憩 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――          午後 5時16分 開議 ○議長(実川利隆 さん) 休憩前に引き続き会議を開きます。  橋詰高志さんから……          〔「議長、発言を求めます」と呼ぶ者あり〕 ○議長(実川利隆 さん) 堀越議員。 ◆7番(堀越秀生 さん) 今、休憩に入りましたけれども、休憩に入る場合は、私が記憶する限りでは、共産党の橋詰さんが発言して、その後に区民クラブの木下さんから、これではおかしいという発言が不規則発言であって、議長が休憩することになったんですけれども、休憩動議も出ていないし、休憩にする理由を、議長もおっしゃらずにいきなり休憩に入ったので、その辺の経緯を説明していただかないと、ちゃんとした議会の進行として、非常に稚拙なものになるのではないかと思うので、ぜひその辺を説明していただかないと、どういう理由で休憩に入り、今再開しているのかわからないので、その辺のところの説明をしっかりしてください。          〔「議長」と呼ぶ者あり〕 ○議長(実川利隆 さん) 寺井議員。 ◆21番(寺井康芳 さん) 休憩は議長の判断でできるのではなかったんですか。          〔「どういう理由でやっているんですか」と呼ぶ者あり〕 ◆21番(寺井康芳 さん) 不規則発言は関係なく、議長が休憩を宣言すれば、休憩はできるはずです。事務局、確かめてください。 ○議長(実川利隆 さん) 私の判断で休憩をさせていただきました。          〔「はい、結構です」「理由はないんだろう」「了承」と呼ぶ者あり〕 ○議長(実川利隆 さん) 橋詰高志さんから発言を求められておりますので、これを許可いたします。  9番橋詰高志さん。          (9番橋詰高志さん登壇) ◆9番(橋詰高志 さん) 資料のとり方に誤りがありましたので、訂正をさせていただきます。  議会進行を中断させたことをおわびいたします。  先ほどの私の介護保険についての質問の中で、「千束の老人保健施設では、第3段階で平均すると、月額、多床室で――――――が―――――に、個室では、―――――が―――にもなります」、この部分を訂正いたします。  「千束の老人保健施設では、要介護5、第3段階で、月額、多床室で約4万円が約5万5,000円に、個室では、約11万5,000円が約15万8,000円になる例もあります」というふうに訂正をさせていただきます。          〔「議長、発言を求めます」と呼ぶ者あり〕 ○議長(実川利隆 さん) 堀越議員。 ◆7番(堀越秀生 さん) 先ほど自民党の寺井議員が、議長の権限で休憩を求められるから、理由を言う必要もないというような発言をしています。そこまでは言っていませんけれども、そういう趣旨で……議長は、私の権限で休憩をしましたということをおっしゃいましたが、今後も何の理由も説明せずに、いきなり休憩に入ることがあるんですか。  議長、ちゃんとした議会なんですからね。こういう理由で休憩に入るなり、あるいは休憩後でもいいですよ。こういう理由で休憩したという説明がなければ、我々は何なんですか。議会はどういう流れになっているんですか。それをちゃんと議長は、それでもいいんだと言うなら、そうおっしゃってください。それでもいいんだと。          〔「議長」と呼ぶ者あり〕 ○議長(実川利隆 さん) 寺井議員。 ◆21番(寺井康芳 さん) 今の問題は、この本会議場ではなくて、幹事長会あるいは議会運営委員会でやってください。          〔「ちゃんとした公式の場でやった方がいいよ。当たり前でしょう。そんな陰でごちゃごちゃやる問題ではないよ」と呼ぶ者あり〕 ◆21番(寺井康芳 さん) 議長の権限で散会できるはずです。          〔多数発言する者あり〕 ○議長(実川利隆 さん) 台東区議会会議規則第116条の私の権限で、そのようにさせていただきました。          〔「了解」「散会」と呼ぶ者あり〕 ○議長(実川利隆 さん) おはかりいたします。  橋詰高志さんの申し出のとおり、発言の訂正を許可いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。          〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(実川利隆 さん) ご異議ないと認めます。  よって、橋詰高志さんの発言訂正の申し出を許可することに決定いたしました。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○議長(実川利隆 さん) これをもって本日の会議を閉じ、散会いたします。          午後 5時21分 散会                 議長    実  川  利  隆                 議員    君  塚  裕  史                 議員    中  山  寛  進...